どもっ!商売力養成コンサルタントの福谷です。

会社やお店が「社員」ではなく「アルバイト」を使う理由、これは一言で言えば、雇い主にとって「都合がいいから」に他なりません。

社会保険など無駄な出費を出さないで済む、時給そのものを安く設定できる、忙しい時間帯や細切れの時間を埋める事ができる、一部の単純な業務だけをさせ続ける事ができる、などの理由が挙げられます。

一方で、社員としてではなくアルバイトでの勤務を希望する人にも、いろんな理由があります。

本業や学業の後で数時間働きたい、家事の合間に働きたい、フリーターとして誰にも縛られず自由に働きたい、社員に登用される事を目指してまずはアルバイトとして頑張りたい、などなど。

会社やお店の都合でアルバイトを募り、自分の生活リズムの都合でそれに応募する。

それぞれの職種でお互いのニーズや条件が一致して働く事になります、それはそれで何の問題もありません。

さてこのアルバイトやパートという雇用形態、雇い主のアルバイトへの認識次第では、個々の才能や能力が勿体無いくらい見事に開花しない(笑)という状況が生まれます。

どういう認識かと言うと、雇い主の思惑通り「都合よく」採用されたアルバイトを、いつの間にか「本当に都合よく扱っていい、簡単な人達」だと勘違いしてしまう、という事です。

手続き簡単、給料簡単、保障簡単、勤務時間簡単、仕事内容簡単、条件さえ合えば誰でも出来る「はず」の仕事だと思い込んでしまいます。

一口に「社員」だの「アルバイト」だの言っても、会社の数だけ形態はありますので異論がある事をあえて承知で言いますが、多くのお店は「わざわざ社員がしなくても」と思ってる仕事をアルバイトにさせるわけです。

何らかの理由で「社員にしか出来ない」と判断した業務以外の、アルバイト「でも」出来る仕事を、社員では無く「アルバイトの待遇」で雇うわけですから、そこに明確な差が存在します。

例えば会社の組織図なんかがそうです、どの会社の人事を組織図にしてもそのピラミッドの頂点は社長、底辺はアルバイトになります。

「そんなん当たり前やがな」と感じる人も多いかもしれません(笑)

しかし、10年間現場の一線で働いているアルバイトが、今までお金なんて稼いだ事も無い新卒の社員さんの下に、少なくとも組織図の上では位置するわけです。

アルバイトが新人社員に業務をトレーニングしている姿は見掛けますが、社員を部下に持ってるアルバイトの姿なんて見た事ないです。

「そういう優秀なアルバイトは、社員に登用する制度があるよ」という事業所は多いかもしれませんが、では家庭の事情でフルタイムで働けない人も社員に登用しているのか、といえばそれは無い。

同じ現場で働いていても、社員が受ける研修とアルバイトが受ける研修は、量も質も投資金額も全く違う。

要するに、職務規定でも雇用条件でもなく、事実上の「身分制度」になってるんです。

どれだけ素養も経験もポテンシャルもあるアルバイトよりも、何かのはずみで採っちゃった(笑)みたいな社員の方が給料も福利厚生も手厚い、フルタイムで働けないというだけで仕事の幅も限定的で社員登用の道は閉ざされる。

必要ですかね、この「カースト制」は、って思うわけですよ(笑)

週三回の勤務でも、素養があって本人が希望するなら給料や福利厚生は時給換算ででも社員待遇にしたらええやん、仕事の幅や権限も責任も与えたらええやん。

終身雇用なんて鼻クソ同然の今の世の中、正社員を立派なモノだなんて幻想を押し付けてないで、雇用形態で能力評価が偏らない新しい人事考課制度を、そろそろ本気で考えないとアカンのとちゃうん?って思うわけです。

と、ここまで読むと、まるで雇い主がアルバイトを軽視冷遇している「悪いヤツ」ように見えますが、実は雇われるアルバイト側にも大きな問題があります。

それは多くの雇い主と同じように、多くのアルバイト自身も、というか世間一般の認識として、アルバイトという勤務形態を軽視冷遇しているという事です。

例えば学生時代の私です(笑)

私は大学時代に長期短期含めて30種類以上のアルバイトを経験しましたが、只の一度も仕事を頑張ったという記憶がありません(笑)

そりゃあ最低限仕事は覚えて人並みにこなしはしますが、どうでもいいような理由や適当なウソをついてよく休んだりサボってたりしましたし、仕事へのやりがいも情熱も感じた事はありませんでした。

根はマジメですがモラルは低く、仕事の意義や目的を教えてくれた社員さんもいませんでしたし、当然自らそれについて考える事なんてありません。

私にとっての職場は「ただ小遣いを稼ぐ場所」でしか無かったわけです。

今振り返っても「クズやったなぁ、俺」って思います(笑)

ところが大学を出て就職すると、私は一転して全くサボらなくなりました。

遅刻もしなきゃ嘘ついて休んだりもしない、それどころか仕事が上手くいく事を考えて、その為の準備にかける時間や手間も惜しまない。

この驚きの変化は、私が大学やアルバイト先で責任感について学んだからではありません。

所詮はアルバイト、バイトなんて簡単に始めて簡単に辞めていい仕事だと思っていたからです。

就職という形で正社員になったから「あ、仕事ちゃんとしなきゃ」って思っただけの事なんです。

もちろん当時の私の感覚がスタンダードだとは言いませんよ(笑)

アルバイトの全てが当時の私みたいな感覚じゃない事は充分解っていますが、それでもこの感覚は多かれ少なかれ、雇う側にも雇われる側にも広く世間一般に根ざしている感覚だと思っています。

「所詮コイツらアルバイト」

「どうせ私らアルバイト」

労使のどちらからともなく生まれ、蔓延しているこの空気、労使お互いが多かれ少なかれ心のどこかでこう思ってるから、多くのアルバイトは「とりあえずバイトでも」と、仕事への覚悟も無く応募して仕事という名の「作業」を始め、多くの雇用者は仕事の意義や楽しさ、会社のミッションを伝えようともしないで、志しもへったくれも感じさせない「作業」として仕事をさせる。

職種によっては純粋に「限定的な作業」だけしてくれりゃ充分だというケースもあります。

しかし、少なくともその仕事内容に接客などの直接的な対外サービスが含まれる場合、労使双方の心にに根ざした「アルバイトカースト制」は、人の可能性や伸びしろを著しく制限しています。

社員とアルバイト、お客様にとってはどちらも自分の相手をしてくれる「店の従業員」である事に変わりはありません。

限定された仕事内容、限定されたパートタイムだからといって、接客業として理解しておくべき内容や心構え、会社のビジョンの伝達まで簡単に済ませてしまっていいわけが無いんです。

ところが先ほども書いた通り、実際には同じ現場で働いていても社員が受ける研修とアルバイトが受ける研修は量も質も投資金額も全く違う。

社員は会社の理念やミッション、いろんな事を研修を通して直接学ぶ機会が与えられるのに、アルバイトはぺらっぺらの接客マニュアルで済まされたりしている。

そもそもここが誤解されているポイントのひとつでもあるんですが、例えば社員10人とアルバイト10人、会社の目的やビジョンを共有して一緒に働こうというというモチベーション教育をしたとして、どちらに時間が掛かるか、どちらが大変かといえば、これはもう圧倒的に社員ではなくアルバイトなんです。

新入社員が簡単に辞めるようになったと言われて久しいですが、それでも社員として入るのとアルバイトとして入るのでは、どちらがより「組織に属する、参加する」という気持ちが強いかといえば、これは私を例に出すまでもなく(笑)社員のほうです。

もちろん平均値ですので、素晴らしいアルバイトもクソ社員もいっぱいいるんですよ。

けど、「就職する」と「バイト始める」 という、この二つの言葉が表してる意識の差は相当大きいと言わざるを得ません。

帰属意識の平均点が高いほうが、会社のビジョンや仕事の意義を伝えても単純に理解度が高いのは当たり前ですよね。

帰属意識が低いのなら、それを高める事も同時に行いながら、仕事の意義や会社のビジョンを伝えていかなければなりません。工数がひと手間多いわけです。

社員さえ押さえときゃトップダウンでアルバイトには伝わるという考えもあるのでしょうが、理念やミッションという「新しい種」を蒔けるくらいに従業員の心の畑を耕し、発芽に必要な土の温度を上げる為の労力は、社員よりもアルバイトの方が掛かるんです。

アルバイトを雇う理由を「手続き簡単、給料簡単、勤務時間簡単、仕事内容簡単、条件さえ合えば誰でも出来る仕事」に求めるのは勝手ですが、簡単な条件で入って来る人ほど、その後の教育に時間とお金をかける必要がある、という認識は必要なのではないかと思います。

重ねて言いますが、お客様にとってはアルバイトも社長も同じ「店の人」でしかありません。

じゃあ、一番お客様に接する最前線に位置するアルバイトにこそ、一番いい啓蒙教育をしてあげなきゃマズイでしょって事なんです。

では、教育して責任を押し付けるだけで、待遇はそのままでいいですか?

お客様の「ありがとう」だけをモチベーションに何でも出来ると思ってますか?

雇い主の「ありがとう」は言葉だけで充分なんですか?

ずっと元気に働き続けて欲しいと思う大事なアルバイトには、ソレ相応の突出した待遇があってもいいと思うんです。

職場が好きで仕事が好きで、あなたのビジョンに共感してもう何年も実践してくれ続けている大事な大事なアルバイト、お客様で例えればリピーターだしヘビーユーザーだしあなたのお店のファンですよ。

そういう人を厚遇しないで一体誰を大事にするんだって話ですよ。

「バイトだから」なんて前時代的な枠組みを抜本的に見直して、思いっきりえこひいきしてあげればいいんです。

そういう突出した待遇を受けるアルバイトがいる事が、他のアルバイトのモチベーションにだってなりますよ。

何ならそれがあなたの職場で働きたいという理由になるし、ブランドと呼べるものになるかもしれません。

そして前時代的な「社員とアルバイトの住み分け」という「既製品の枠組み」を外すのは、雇い主であるあなたであって欲しい、そう思うわけです。

アルバイトだろうが社員だろうが、「ひと」は「ひと」。

個々の才能や資質を、へんちきりんな身分制度でリミットを設けるのは機会損失です。もうそういう時代じゃないですよね。

一日三時間しか働かないパートやアルバイトが、ピッカピカの笑顔で責任ある仕事をバリバリに任され、部下の中堅社員を教育する姿があっていいと思うし、少なくとも私はそういう姿をこの目で見たいと思います。

心にグサッときた励まし方 – NAVER まとめ