お客様が安い商品を選ぶのは誰のせい? あなたが商品価値を伝える為に取り組むべき課題は何か

どもっ!商売力養成コンサルタントの福谷です。

 

商売をしているのであれば、多少なりともご自身が扱っている商品に対しては、自信やこだわりがありますよね。

世界最高の…とまでは言わないにせよ、材料がちょっと「いいもの」を使っていたり、工程にちょっとした職人技があったり、仕上がりがどこよりも丁寧だったり。

「まぁ、悪くないんじゃない?」なんて思っていることでしょう、少なくとも競合さんトコの商品よりはマシだなと。

 

ところが、商品の違いに気付いていないのか、それともそもそも違いになんて興味すらないのかなと思わせるくらい、競合さんの商品を買うお客様は多い、と。

何故なら、あなたの商品よりホンのちょっとだけ安いから。

 

イラっときませんか?(笑)

 

競合店なんかより「いい商品」を扱ってるという自負があるのに、お客様はちょっと安いというだけで、競合店の商品に群がるという現実。

「安かったら何でもええんかいな」

「客に見る目がなさ過ぎるわ!」

こんな憤りを、お客様に感じたことがあるかもしれませんね。

 

でも、これってお客様が悪いんでしょうか。

多少の品質差には目もくれず、安さを最優先して商品を選んでいるお客様には、本当に商品を見る目がないのでしょうか。

なぜ安いという理由で競合店に流れるお客様が、あなたのまわりには多いのでしょうか。

 

お客様が安い商品を選ぶのは、商品価値や競合商品との違いを伝えていない、あなたのせい

まず最初にハッキリと断言しておきます。

お客様は悪くありません(笑)

 

一万円札でおしりを拭かないとお札が減らなくて困っているという人でもいれば別ですが、誰だって商品が安く手に入るのは嬉しいものです。

いいものが安く買えればうれしい、コスパの高い商品が手に入ればうれしい、「今日はいい買い物が出来たな」と思えればうれしい、これって当たり前の感覚ですよね。

どうせ同じ商品を手に入れるなら、一円でも安い方が単純にうれしいし、満足感を得られるんです。

 

さて、問題はココなんです。

「どうせ同じ商品を手に入れるなら」

これって、全国販売されているガチガチの既製品を「どのお店で買おうかな」という話だけではないんです。

Aというパン屋であなたが売ってる150円の食パンと、Bというパン屋で私が売ってる145円の食パン、お店で手作りしているので同じモノでは絶対にないんだけど、これを同じ商品、つまり「どうせ同じ商品を手に入れるなら」という認識のお客様がいるということなんです。

これは、お客様の味覚が死んでいるからではありませんよね(笑)

違うお店で買う違う商品を「どうせ同じ商品を手に入れるなら」と思わせている売り手、つまり「あなた」が悪いんです。

違いがわからない、違いはわかっているけどそれを魅力だとは感じていない、だからお客様は唯一はっきりとわかる違いである「価格」で選ぶわけです。

 

数字って怖いですよね~、たった5円でも違いは歴然かつ客観的ですから。

足し算が出来ないチビッコにだって、どっちが安いかぐらいはわかるんです、そりゃ選ばれますよって話です。

 

商品の価値や違いを伝えきれないお店と、価格で違いを伝えるお店

私やあなたを含め、一人の例外もなくお客様は、価格、品質、サービス、その他もろもろの兼ね合いで、その時の「ベスト」だと思えるものを購入しています。

価格を重視する傾向の人もいれば品質を重視する傾向の人もいますし、手軽さや便利さを重視する傾向の人もいますが、買い物では必ず二つ以上の条件を天秤にかけて判断していますし、ある条件が同程度ならもう一方の条件が判断の対象となるだけなんですね。

先のパン屋の例で言えば、品質・サービス・その他もろもろを含めて天秤にかけても「同じ」か「大差ない」と判断されたから、分かりやすい価格で選ばれたということです。

 

ここで判る事実は、以下の二点です。

Aというパン屋を営むあなたは、お客様に「違い」を伝えることに失敗している。あなたが思ってるほど、お客様には良さも違いも伝わってないというのが一点。

Bというパン屋を営む私は、違いを伝えるというメンド臭い努力から逃げて、一番頭を使わないで済む「価格」での集客に走り、逃さずに済んだかもしれない「利益」を失っているというのが一点。

どちらも大きな問題を抱えています(笑)

Aのあなたはお客様をみすみす逃し、Bの私は楽な集客に走ったことと引き換えに、利益を逃がしています。

お互い、どうすればこの状況から脱することが可能なのでしょうか。

 

お客様の買い物体験を通して得られる「価値」の棚卸しをしよう

まず、Aというパン屋を営むあなたがまずしなければならないことは、価格以外の価値に「ちゃんと」気付くということです。

お客様の中にある価値という名の天秤に乗せてもらえる価値、小さな価格差くらいなら無力化出来る重さの価値を、売り手としてまずしっかりと自覚する必要があります。

商品そのものである必要はまったくありません。

お客様が行う「買い物」という行為は、ただ単なる「ブツの購入」ではなく、買い物という行為を通して総合的に満足感を得る「買い物体験」ですので、気持ちよく、快適に、楽しく商品が購入できれば価値はあがります。

お店の雰囲気や接客、ラッピングやスタッフとの会話など、トータルでの価値をしっかりと積み重ねましょう。

 

もし、どうしても価値が見当たらないという悲惨な(笑)状況なら、今からでも作りましょう。

かろうじて価値らしきものが発見出来たが、あまりにも弱いというなら、もっと磨き上げて価値を高めましょう。

その上で、その価値がどうやればお客様に「ちゃんと」伝わるかを考える。

価値があることがゴールなんじゃありません、価値がお客様に正しく伝わることがゴールです。

 

伝わらない価値なんて、存在していないのと同じです。

価値が伝わらないということは、お客様にしてみれば、価格以外の判断基準が持てないということです。

価格で選ばれてしまうのは、当たり前ですよね。

 

一方の、Bというパン屋を営む私がまずしなければならないことは……

Aと同じですね(笑)

しかし、その前に価格だけでお客様を集めることが、資本力に乏しい小規模経営にとってどれだけリスクが高いことなのかを、しっかりと想像してみましょう。

もし他の競合他社が現れたとき、売れている理由が「価格だけ」という商売がどれだけ脆弱かをしっかりと自覚しましょう。

商品そのものでもトータルの買い物体験でもお客様に選ばれず、最後の砦だったはずの価格競争にまで敗れたお店には、もはや一切の価値がないということです。

 

ほんの少し値段を下げただけで、バッカバッカお客様が入ってくる商環境なら、それはそれでいいでしょう。

しかし、利益をすり減らして価格競争に参入しているのであれば、一日も早い舵の切り替えを決断してください。

売り手自身が価格にしか価値を感じなくなってしまったら、価格を下げる以外の集客方法が浮かばなくなります。

ガソリンスタンドが顕著ですが、価格だけの訴求で戦い続けると、段々と商圏のお客様も価格以外の価値に鈍感になってきます。

売り手によって、お客様の価値観までが教育されてしまうのです。

そうなる前に、まずは売り手自身が価格以外での価値について、しっかりとした棚卸しや掘り起しを行う必要があります。

 

お客様に価格以外の価値や違いを伝えられるのは、売り手である「あなた」だけ

商品が安いのは、単純に魅力的です。

誰だって安く手に入れたいと思っています。

しかし、100均でも売ってるものを、わざわざ別の店で数百円出して購入する人には、それだけの「理由」が存在します。

その理由をお客様に知らせたり気付かせたりするのは、私たち商売人の大事な仕事です。

商品や買い物体験の違いがわからなければ、お客様は唯一わかる違い、数字で表れる「価格」という違いを基準に選ぶ以外の方法がないのですから。

 

あなたはお客様に、どのような買い物体験を提供できるのでしょうか。

そしてそれは、どうすればお客様に伝わるのでしょうか。

ぜひ一度、考えてみてください。