商売の「当たり前」が、当たり前に出来ていることの価値とスゴさを知ろう

どもっ!商売力養成コンサルタントの福谷です。

 

お客様の頭の中には、売り手に対する「ある先入観」が存在します。

「え? それって客商売なら、あって当たり前のことですよね!?」

という先入観、というか感覚です。例えば、

・お店に入ったら店員さんに「いらっしゃいませ」と言って迎えられる「当たり前」
・買い物をして帰る時には「ありがとうございました」と感謝の言葉をかけられる「当たり前」
・メニューに載ってる商品は当然在庫があるだろうという「当たり前」
・食べ物をサーブする食器やテーブルは、きれいで衛生的なはずだという「当たり前」
・従業員の、売っている商品に関する知識や愛着は買い手より数段高いだろうという「当たり前」

などが該当します。

 

「どこのお店でもやってる事」は、「誰にでも出来る、かんたんな事」ではない

これらの感覚は、お客様の「買い物経験」で生まれます。

過去10回の買い物で10回とも来店時に「いらっしゃいませ」と言われる経験をすれば、11回目も当然「いらっしゃいませ」と言われるであろうという学習をするからです。

片田舎の食料品店で買い物をして育った人が都会の巨大スーパーに入れば「なんでもあるんやな~」と歓喜し、都会の巨大スーパーで買い物をして育った人が片田舎の食料品店で買い物をすれば「なんにも無いがな」と落胆するのと一緒(笑)

経験で得た「当たり前」という感覚から外れた出来事が、そのお店の印象を決定するわけですね。

 

歓喜するような経験をすれば、お客様はその店のファンになります。

しかし、落胆するような経験があれば逆に離れていきます。

たとえそれが、お客様というイチ個人の限定的な経験をベースにした落胆であっても、です。

田舎で育ったか都会で育ったかなんて話なら、正直知ったこっちゃナイんですが(笑)最初に挙げた例のような「当たり前」が満たされないのは、お客様にとっては大きな違和感でありストレスなんです。

 

さて、ではあなたのお店には、この「当たり前」がきちんと存在しているでしょうか。

・当たり前のように、来店したお客様に丁寧な「いらっしゃいませ」があるでしょうか
・当たり前のように、買い物を終えたお客様には「ありがとうございました」という感謝と再来を促す言葉をかけているでしょうか
・当たり前のように、メニューに載ってる商品はすべて販売が可能な状態でしょうか
・当たり前のように、食べ物をサーブする食器やテーブルは清潔でしょうか
・当たり前のように、従業員は取り扱う商品に深い造詣や愛着を持っているでしょうか

これらは、お客様は勝手に「あって当然」だと考えていますし、私たちが商売を離れ消費者として買い物をする際にも「あって当然」だと思っています。

しかし売り手として見れば、これらはどれひとつとして「用意さえすれば、誰がやっても及第点レベルで提供できる」という性質のモノではないはずです。

どれもこれも、ある程度の時間や手間をかけ、質や精度を維持しないとお客様が感じる「あって当然」というレベルには達しないと思います。

 

従業員が育たない原因は、経営者の甘さ

「店に入っても挨拶すらしない」
「メニューに載ってるのに、注文したら『あ、いま品切れです』とか言われた」
「コーヒーカップに洗い残しの口紅がベッタリついてた」

これらは、お客様を激ギレさせるのに充分なポテンシャルを秘めていますが(笑)実はこういうお店には「挨拶はしなくていい」とか「メニューには適当な商品を載せればいい」とか「カップなんてサラッとなでるように洗えばいい」というルールがある……

わけないんです(笑)あるかいなそんなモン!

「挨拶しましょう」「欠品しないよう在庫管理しましょう」「衛生的な商品を出しましょう」そう決まってるのに実践が追い付いていないんです。

消費者の立場から見た「当たり前」は、「お店には当たり前のように存在している」からこそ感じるわけですが、どこのお店にもあるからといって、お客様が考えるほど簡単に提供できるわけではありません。

売り手は「新人だから」とか「発注サイクルが変則的で」とか、売り手本位の勝手な理屈をこねて「当たり前レベル」のクオリティを提供出来ない言い訳を用意しがちですが、ンなこたぁ~お客様には関係ないんです、全然!!

 

挨拶しなかったり口紅つきのカップを平気で出す店員さんにキレる、お客様の了見が狭いわけではもちろんありませんよね。

では、挨拶しなかったり口紅つきのカップを平気で出す店員さん個人が原因なのかといえば、実はそれも違うんです。

彼らがたまたま挨拶しなかった事や、カップの汚れを見落とした事はあくまでも「現象」で、それをアリにしている原因はお店の仕組みそのものです。

基準をきっちり教えていない、教えているけど時々ミスする、誰かがミスした時のフォローを同僚はしない、改善策も考えず「人間だからミスくらいあるよね~、ドンマイ!!」みたいな「みつを風クソ励まし」で済ませる、これらは全部お店が作った「仕組み」です。

要するにお客様をキレさせたお店を作った人、経営者の考えや取り組みが甘いだけのことなんです。

 

お客様が抱くお店への期待は、応えるか、超えるか、裏切るかしかない!

当たり前のことを「当たり前」と言えるレベルで実践し続けるって、実は大変な労力が必要です。

挨拶や商品管理、衛生状態の維持などの「あって当然」と思われているものでも、それらをハイレベルにキープする為には、実践することの大切さを確認、共有できる企業風土が必要なんですね。

 

当たり前のことを当たり前にしても、必ずしもお客様に好印象を与えることができるというワケではありません、なんせ「あって当たり前」ですから(笑)

しかし、それらはきちんと実践されていないと間違いなくお客様は離れていきます。

お店のオペレーションが、当たり前のことを当たり前に出来ている状態かを、ぜひ一度確認してみましょう。

そして、お客様が考える「商売の当たり前」が、当たり前に出来ていることの価値とスゴさを、従業員全員で共有してみてください。

どうせ期待を裏切るなら、鮮やかで華麗に、いい意味で裏切りたいですよね。

期待に応えるか、超えるか、裏切るか、そこにお客様のどんな顔を見たいかで決めればいいんです。

まさかキレ顔を見たいわけではないですよね、そういうM気質はプライベートで発揮してください(笑)