スタッフが辞めない、帰属意識の高い従業員が必ず持っている職場への「ある感情」とは

スタッフが辞めない、帰属意識の高い従業員が必ず持っている職場への「ある感情」とは

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どもっ!商売力養成コンサルタントの福谷です。

いい会社、いいお店は人が辞めないという話を、少し前に書きました。

長く働き続けたいと思う職場には、基本的な人間関係、求人時のうたい文句と実情のミスマッチの少なさ、個々の成長や組織への貢献を実感できる評価制度や風土などがあり、こうした労働環境の整備が、採用コストの低減やノウハウの蓄積につながるという話です。

【いい会社、いいお店は「人が辞めない」という事実を、まず認めよう】

現状がどのような状態かによって違ってきますが、よい人材が根付く・育つ環境を構築するのには、ある程度の時間や手間がかかります。整備の内容によっては金銭的な投資も必要になると思います。

「労働環境なんて整備せんでも、求人広告出したら応募はあるがな。このままでええやろ!?」

日頃から従業員の早期退職や生産性の低さを嘆いてはいるものの、その一方で求人媒体に広告を出せば反応はあるので、ギリギリでも頭数だけは何とかなってしまっている組織にとっては、職場環境の改善なんて無駄にお金と時間がかかるだけの「めんど臭いコト」だという認識があるのかもしれません。

目次

人材育成にフォーカスできない組織が持つ、共通認識

離職率の高い組織は、総じて人材育成にまつわる様々な物事に対して、手間以上にお金をかけたがらない傾向があります。

これは給料や待遇はもちろん、人材教育コストやモチベーションを維持できる評価制度、充実した福利厚生などすべてに対する金銭的投資において見られる傾向です。

実は、彼らが人材の育成や定着に対して金銭的な投資を行わない理由の多くは、懐事情によるものではありません。

人材に対して投資をすることで、優秀かつ適性の高い人材に永く貢献してもらい、その結果として組織が充分な見返りを得た、という「経験を持たない」ことが原因です。

先ほどの「求人広告出したら応募はあるがな。このままでええやろ!?」という言葉、実は以前私が離職率の高さを話題にした際に、ある経営者の口から実際に出たセリフなんですが(笑)このセリフは、組織における人材の価値とその位置付けが、どの程度のものかを物語っています。

簡単に言うと、従業員には「最低限の条件を満たし、最低限の作業をする」というレベル以上の価値を求めていないんですね。

もう少し正確に表現すると「価値を求めていない」のではなく「それ以上の価値があることを知らない」と言えるのかもしれません。

不幸にも、採用した従業員の定着が悪いままで営業を続けてこれた為、それ以上のポテンシャルが人材に秘められていることを知らないわけです。

具体的には、以下のような傾向が見られるはずです。

■誰かを採用しても、覚えた仕事を活かす頃に辞めてしまうので、現場にノウハウの蓄積なんてされた試しがありません。いつも最低限の業務を綱渡りで引き継ぐのに精いっぱいです。

■すぐに人が入れ替わるので、ずっと初歩的な仕事レベルをうろうろしています。総務で言えば『総務入門』、接客で言えば『はじめての接客』という入門書のレベルで実務が推移していますので、結果的に「誰でもできそうな簡単な仕事」という認識になり、実情もその通りになります。スペシャリスト不在の低空飛行がデフォルトの状態です。

■雇用者にとっての人材は「長く続けばラッキー!」程度の感覚です。運任せですので、どういう人材を採用すればそうなるかという分析も、蓄積されたノウハウもそこにはありません。良い人材が早期に退職する時、古株のアルバイトが必ず言うセリフは「この会社は、いい人から辞めていくなぁ」だったりします。

■どうせ採用するなら優秀な人材が欲しいと、理屈の上では理解しています。しかし、優秀な人材を定着させる為の企業努力は行いません。その理由は、優秀な人材が定着した状態を経験上イメージ出来ない上に、そんなものが無くても「現状なんとかなってしまっている」ように見えているからです。

■人に投資をした経験がありませんので、給料や待遇は当然良くありません。それどころか「金に釣られて応募してくるようなヤツは帰属意識が低く、金でしか動かないから使えない」というオドロキの理論を振りかざしている場合もあり、なぜか従業員に対してだけは「清貧」を求めます。

どんなに待遇が悪くても、求人すれば何故か応募者がいる理由

これって、「自分以外は誰も信じない」って言ってる、青春ドラマの主人公(高1くらい 笑)と同じ感性なんですよね。

過去に「人がもたらす価値や可能性」を実感したことがないので、従業員を大切に思えない。

個人の話なら「青臭せ~なオイ!」で済むんですが、残念ながら組織の場合は大問題です。

ミスマッチな人材を集めては早期に潰し続けているわけですから、組織内の人材が育たない以前に、どんどん商圏内での印象が悪化します。

お客様や競合他社にも伝わりますし、求人の反応や応募者の質も確実にジリ貧になっていきます。

「労働環境なんて整備せんでも、求人広告出したら応募はあるがな。このままでええやろ!?」

確かにこの言葉通り、募集時に謳う給料や待遇が悪くても、反応はゼロではないことが多いです。

ぶっちゃけて言えば、給料なんか安くたって面接希望者がいるのは事実です。

しかし、給料が安くても待遇が悪くても、細々とでも求人に反応があるのは、それを選ばざるを得ない境遇や環境に置かれた人がいるからです。

決して適性の高い応募者が来るわけでも、「その待遇で一生頑張ります!」という無欲な人たちが面接に来るわけでもありません。

仕方なく応募する、他に無いから応募する、次の仕事を見つけるまでの腰掛として応募する、最初から腰を据えて働こうという応募者自体が少ないわけですね。

その上、入ってみたら更に続けたくなくなる理由がわんさかある、と(笑)

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優秀な人たちは早期に辞めていく、仕方なく入った人たちでさえ辞めたいと考えながら働いている、長期にわたって前向きに仕事をする人がいないのでノウハウがまったく組織に蓄積されない、そういう人たちを見て経営陣は「従業員は使えないヤツばかり」と嘆き、従業員は消耗品だと認識する。

まさに負のスパイラル、いったい誰が幸せになってんだって話です。

人材を使い捨てることで起こる弊害を知ろう

親になったからといって、必ずしも子育てが得意な人たちばかりではないように、経営者になったからといって、必ずしも部下を育てることに長けているとは限らないでしょう。

自身の優位性を保持したいが為に優秀な部下を持ちたがらない上司も残念ながら存在しますし、本当は部下を育てたい、活かしたいと思っているのに、その方法を知らないだけの人たちもいるでしょう。

負のスパイラルが常態化してしまい、何も感じなくなっているのかもしれません。

確かに金にモノを言わせて、短期サイクルで消耗品のように従業員を入れ替えるのも、ひとつの方法ではあるのかもしれません。

しかし、勤務場所に地域性がある以上、人材は有限ですので、いずれは枯渇します。

前述の負のスパイラルで優秀な人材が定着しない環境が出来てしまっているのなら、それは既に枯渇しているのと同じ状態です。

今の状態から抜け出さない限り、永遠に生産性の上がらない従業員たちに「気が利かない、言われたことしか出来ない」と、ガミガミ言い続けることになります。

しかも、その環境を作ったのは既存の従業員でもなければ、退職した元従業員でもありません。

いい人材が集まらないのも、集まってもすぐ去ってしまうのも、素養のある人が育つ前に朽ちてしまうのも、砂漠のように何も育たない労働環境はすべて経営陣が自ら作り上げたものです。

本当に、本当にこれから先も今のままでいいんですか?

そんなわけありませんよね。

早期退職という負のスパイラルを断ち切る為に、まず組織が行いたいこと

たった一日で砂漠を南国に変えることは出来ませんが、実はたったひとつのことを徹底するだけで、組織の空気は大きく変わり出します。

それは「働いている人たちの存在価値を認める」ということ、たったそれだけです。

個性も人格もあるイチ個人として認め、労働力としての価値を認めるだけ、簡単ですよね?今までやってなかったとしても(笑)

従業員の価値を認め、それを言葉や態度で表すだけでなく、価値を認めただけの物理的・金銭的な評価を行い、その価値をさらに高める為に必要な環境を作る、それだけで会社を辞めたくなる理由の半分はなくなります。

長く働いて欲しいなら、長く働きたくなる組織を作る。

優秀な人材が欲しいなら、優秀な人材が集まるか、優秀な人材が育つ風土を作る。

とてもシンプルです(笑)

人の出入りが激しい組織は、総じてマンパワーが脆弱です。

当然のことなんです、仕事に慣れた頃には辞めることを考えながら働いてるわけですから。

明日もここで働きたいと不安なく思える安心感と充足感、単純ですが、それが仕事に集中する為の最低限の土台となるものです。

マズローの5段階欲求で例えるなら、土台となる『生理的欲求』と『安全欲求』を満たした上でないと、次の『社会的欲求』での帰属意識は芽生えないのと同じです。

無理に帰属意識だけを高めようとしても、土台となる生活基盤が安定していないと成立しないわけです。

「毎日の仕事が不安や苦痛でいっぱいやのに、誰が会社の為に頑張ろう思うねん!?」

ということです(笑)チョ~当たり前の感覚です。

従業員の高い帰属意識は、経営陣だけが生み出せるという事実を認識しよう

働いている人たちの存在価値を認めると、何が従業員の中に芽生えるのか。

それは「愛着」です、仕事への愛着、職場への愛着。

帰属意識や仕事へのモチベーションの源となるものです。

辞めたいと思って仕事をしている人の心には、100%存在し得ない感覚が「仕事や職場への愛着」なんですね。

元々仕事に愛着なんて感じない人たちの心に植え付けろって話ではありません。

愛着をもって仕事に臨んだはずの芽を摘むなってことです。

この仕事を選んでよかったという気持ちが、帰属意識や仕事へのモチベーションにつながりますし、それこそが職場で長期にわたって力を発揮する原動力となります。

従業員が愛着を感じる職場環境は、経営陣だけが用意できるものです。

彼らの存在価値を認め、それを言葉と態度と環境づくりという目に見えるもので伝えることで、優秀な人材の育成や定着が促進されます。

どうしても「働いている人たちの存在価値を認める」ということがイメージ出来ない経営者さんは、まず他社さんを社会見学に行ってみましょう。

異業種でも構いません。

人が活き活きと働いてそうに見える職場を探して、見学させてもらいましょう。

従業員の勤続年数が長い職場を紹介してもらい、話を聞いてきましょう。

スタッフのアベレージスキルが高そうな職場では、どういう教育がなされているのか教えてもらいましょう。

労働力を消耗品だと認識している経営者さんにとっては、かなり考え方や価値観が違うと感じられるはずです。

今のままでいいのか、組織の風土を変えるべきなのか、外を見て判断しても遅すぎることはありませんよね。

変えたい、変えなきゃと思った時が変え時です。

働く人たちにも支えてもらえない組織なんて、運営してても楽しくないんじゃないですか?

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