外食大手やコンビニが採用キャンペーンを実施せざるを得ない事情と、組織・店舗に求められる「働き方改革」

外食大手やコンビニが採用キャンペーンを実施せざるを得ない事情

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外食・サービス業の人手不足が深刻化する中、マクドナルドをはじめとする外食大手やコンビニが主婦層の採用強化を行っています。

目次

なぜ主婦層に特化したキャンペーンを行うのか

日本マクドナルドは9月5日~10月31日の期間、店舗スタッフの採用強化を目的に「マックなら、大丈夫。」というキャンペーンを実施しています。

『主婦(主夫)、シニア層、外国人など、多様な人材を店舗アルバイトスタッフ(クルー)として採用することを目指す。春に実施したキャンペーンでは、目標を3000人上回る2万8000人の採用に成功。(中略)キャンペーン期間中には、主婦を対象とした「主婦向けクルー体験会」を実施。実際に体験してみることで、仕事へのイメージが生まれる効果が期待できるという。チーズバーガーをクルーとともに作る体験を行ったタレントの松嶋尚美さんは「横に立って優しく教えてもらえ、不安なく働ける」と安心感を語った。
ITmedia ビジネスオンライン 「マックなら、大丈夫」マクドナルド、主婦の採用強化 2017/09/05』

また、同様の取り組みはマクドナルドだけではなく、他の外食大手やコンビニ各社でも様々な内容で行われています。

『大手牛丼チェーン「すき家」などを展開するゼンショーホールディングスは2015年から従業員向けの保育所を設置し、茨城県内の2カ所で運営、年中無休で利用できる。同社は今後も保育所を増やしていく方針だ。一方、同じくパート従業員が店舗運営に不可欠な大手コンビニ各社も、主婦にターゲットを当てた採用活動を展開する。ファミリーマートは今月、首都圏で沢田貴司社長が登壇する主婦向け採用説明会を初めて開催する。(中略)セブン-イレブンは東京都大田区と広島市の店舗2階に今秋、店舗従業員向けに保育所を開設し、子育て中の人が働きやすい環境を整え採用増を狙う。また、ローソンは業務を簡素化して働きやすくしようと、大手コンビニでは初めてとなる自動釣り銭機を11月から導入予定だ。
毎日新聞 外食やコンビニ 使える戦力は主婦 パート雇用争奪戦激化 2017/09/05』

上に挙がった企業には24時間営業の店舗が多く、その時間帯によって様々な立場の人材が雇用されます。学生やフリーター、昼間はもちろん家事を終えて深夜に働く主婦、ダブルワークとして本業の空き時間に働くサラリーマンなど、数時間区切りでスタッフをつないで営業を行っています。主婦に向けた対策だけが講じられているように見えますが、各企業は主婦層「だけ」が不足しているのではありませんし、当然主婦層が今まで雇用されていない未開の地だったわけでもありません。

キャンペーンというカンフル剤を必要とせざるを得ない求人環境

これら店舗の多くは、基本的に一年中スタッフを募集しているという特徴があります。自宅近くの対象店舗に立ち寄ると、たいてい入り口か店内にスタッフ募集のPOPが掲出されていることが確認できると思います。1年365日求人案内を露出し続けているにもかかわらず、あらためてキャンペーンを打つ目的とは何でしょう。

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もちろん、求人案内を年中掲出していても必要な人材が確保できない状況になったことが起点です。しかし社をあげてキャンペーンを打ち出す本当の目的は、同業他社で面接を受けるかもしれない貴重な就労希望者を奪う為ではなく、店頭の求人案内を見ただけでは働こうとは思わない、自分に宛てたメッセージだと考えていなかった人材を掘り起こすことが目的だと推察できます。年中貼りっ放しの求人案内ではなく、キャンペーンという新らしい切り口でマスメディアに紹介してもらい、潜在的な労働者の心を喚起すること、すなわち大々的なキャンペーンを行うこと自体に意味があるのです。

従来、人材採用の常識として、一年を通して求人案内の掲出を続けることはタブーとされていました。視覚的に年中同じ内容のものが掲出されていても、目が慣れて案内としての効果が薄れる上に、一年中求人案内を出していることから「人が続かない職場」「魅力のない職場」という印象につながり、お店自体のイメージダウンにつながるからです。

しかし、慢性的な人材不足に陥ると背に腹は変えられなくなり、一人の就業希望者も取りこぼすまいと通年での求人案内掲出を余儀なくされます。確かに現在求職中で、求人案内に対してのアンテナが張られた人材に対しては効果があります。しかし、積極的に就労を考えていなかった人が案内を見て「やってみようかな」と考える潜在的な就労可能者に対しての訴求力は大きく下がりますので、結果的にタダでさえ少ない求職者というパイを、同業他社と奪い合う構図から抜け出せなくなっているのです。

採用キャンペーンの効果が薄れる前に、組織が取り組むべき「働き方改革」とは?

今回、設備投資をしてキャンペーンを行う企業から、キャンペーンを行うと宣言するだけの企業まで様々ですが、今ならキャンペーンの存在をマスメディアに流すだけで、見せ方として一定の効果は得られるでしょう。今回は主婦層に対してのアピールが目立ちますが、シニア層や社会人のダブルワーク・外国人に対して、それぞれマッチしたキャンペーンを打ち出せば、しばらくは就労市場へのカンフル剤になるでしょう。

しかし、これらも所詮はキャンペーン、イベントのひとつに過ぎませんので、回を追うごとにその効果が薄れることは避けられません。今後必ず尻すぼみになるこの状況に適応する為には、せっかく入った人材が早期退職しない職場環境の構築を急ぐ以外にはないでしょう。どんなに潜在的な就労可能者の掘り起こしに成功したところで、その数が有限であることに変わりはありません。だからこそ、カンフル剤の効果が薄れない今のうちに、スタッフが辞める原因を組織全体で取り除き、長期就労に結びつく職場環境を構築するという意味での「働き方改革」が組織や店舗には求められます。

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