企業理念を経営者のエゴで終わらせないようにしよう

企業理念を経営者のエゴで終わらせないようにしよう

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牛丼チェーン「すき家」を運営しているゼンショーホールディングスに対して、ゼンショーが設置した第三者委員会が宛てた調査報告書「『すき家』の労働環境改善に関する第三者委員会」が発表され、あらためて過酷な労働環境が浮き彫りにされました。
この報告書の締めの章には「今回の事態は、『外食世界一を目指す小川 CEO の下に、その志の実現に参加したいという強い意志をもった部下が結集し、昼夜を厭わず、生活のすべてを捧げて働き、生き残った者が経営幹部になる』というビジネスモデルが、その限界に達し、壁にぶつかったものということができる。」とあり、現場の社員アンケートでは「まったく回っていない現場があり、過労死してもおかしくないようなこの労務環境が現実にあるなかで、世界から飢餓と貧困を撲滅するため、日本一を走り続けるため、世界一を目指すためと、新入社員の数もろくに確保できていない状況で店舗を拡大していくのはもはや大義ではなく驕りであると思う」という意見が記載されています。
私達のような中小・個人経営者が二の舞を演じない為にも、経営者が掲げる「企業理念」や「経営ミッション」の在り方について考えてみましょう。

目次

共感と同意の無い経営理念は、ただのエゴ

商売の話をする際、便宜的に「売り手と買い手」や「商売人とお客様」みたいな、立場上の区分けを行いますよね。私達商売人が、お客様を増やしたり喜ばせたりする為の施策を練る時や、従業員教育の場などでよく使われる言い方です。このような切り口で話をするという事は、会社やお店を経営されているか個人事業主、または組織に属し従業員を牽引する立場にいると思いますので、自然と「売り手」の代表としての視点で物事を考えると思います。

この時、ぜひ一度考えて頂きたい事が二点あります。一つは、あなたが考える「売り手側」や「商売人側」の範囲は一体どこまでなのか、という事。もう一つは、その「範囲」の中にいる、あなた以外の「売り手側」の方々は、お客様についてどうこう言ったり考えたりする前段階として、あなたと同じ価値観を共有出来ているのか、という事です。

もしあなたがお店のオーナーだとしたら、「売り手側」という立場の人間は決してあなた一人ではありませんよね。あなたが雇っている社員やアルバイトなどの従業員はもちろんそうですし、帳簿付けをしてくれてる奥様がいらっしゃるならその人もそう、仕入れ業者や配送業者その他出入り業者さんもそれに該当します。お客様に商品やサービスを届ける為に、あなたが直接関わっている方々はすべて「売り手側」の人間であるはずです。

例えば、商売を始めたあなたが「生涯のリピーターとなって下さる、笑顔のお客様に溢れた、愛されるお店を作る」というミッションを掲げたとしましょう。あなたがそれを達成する為には、あなたが掲げたミッションに賛同してくれる心強い従業員を集め教育し、お客様の前で一緒にそれを表現してもらわなくてはなりません。同じくあなたが掲げるミッションに共感し、あなたの為だけではなく、あなたが大事にするお客様の為に、出来る範囲の協力を惜しみなく行ってくれる取引先も必要になってきます。

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さて、ここで思い出して頂きたいのは、あなたが商売を始めるだとかミッションを掲げるなんて話は、本来「あなたの個人的なエゴでしか無い」という事です。商売はあなたが生活の為に、あなたに出来る事や得意な事を仕事にして、お客様を集めようとしているだけのはずです。あなたの商売は、少なくとも動機としては「あなたの欲を満たす為」に存在しているわけです。

「満足に教育を受けられない、貧しい国の子供達の為に学校を建てよう!」みたいな気高いミッションの下に集まった人達が、自腹を切り私費を投入するなんて話とは、そもそもワケが違うんです。一見どんなに気高く崇高に見える企業理念や経営理念がそこにあったとしても、個人・法人を問わず営利組織である私達商売人が掲げている理念はあくまでも「商売を通じて」の話ですし、最終的には私達が利益を得る為に行っている事です。ミッション遂行の為に発生するしわ寄せが、経営者であるあなたをスルーして、従業員や取引先だけに及んでいい理由などあるわけが無いですよね。経営者が掲げたミッション遂行の為に「売り手側」の特定の誰かが滅私奉公を強いられる状況自体が、極めていびつなわけです。

従業員も経営者にとっては「お客様」

音頭を取ってる経営者と、エンドユーザーであるお客様だけが幸せを享受する、そんな志の低い経営を支えようという従業員や取引先は、やがてあなたの前から姿を消してしまいます。あなたの「お客様との妄想劇場」を実現する為に、従業員や取引先を犠牲にしていいわけがないんです。慢心して寝首を掻かれる前に、あなたを支える従業員や取引先との関係を見直してみましょう。

経営者であるあなたが掲げた経営理念は、売り手側・商売人側の「総意のミッション」になっていますか?あなたが口にする「お客様の為に」が、従業員や取引先を黙らせる為の免罪符として使われてないでしょうか?あなたが掲げたミッションに集う従業員や取引先は、あなたにとっては「大事なお客様でもある」という事を忘れないようにしましょう。あなたが大切にしない人達が、あなたやあなたの掲げるミッションを大切になんてしてくれるわけありませんよね。

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