ダジャレネームの効能 商品名を駄洒落にすると、なぜお客様の記憶に残るのか

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どもっ!商売力養成コンサルタントの福谷です。

先日、リクルートさんのフリーペーパー『R25』から「ダジャレネーム」についての取材依頼を頂きました。

ちなみに『R25』のWEB版はコレ
【売上10倍!ダジャレネームの効能】

だったんですが(笑)『R25』が終了したようなのでコチラで。
【売上10倍!ダジャレネームの効能】

【売上10倍!ダジャレネームの効能】

ダジャレネームというのは、ダジャレになってたり別の意味を持っていたりする商品名の事、小林製薬さんやエステーさんの商品はテレビCMでもお馴染みですよね。

電話取材のスケジュールが合わないという事でメールでのやり取りとなったんですが、誌面の都合でほとんどカットとなりました(笑)

せっかくなので、手元に残った原稿をこちらにリライトします。

商品名でお悩みの方は、ぜひ参考にして頂ければと思います、言うてもダジャレですが(笑)

目次

 ダジャレネームが持つ、驚くべき情報量の多さ

まず、ダジャレネームとは何ぞ?という事ですが、明確な定義なんてありません(笑)

ですが、いくつかの共通点はあります。

まずダジャレですので、基本的にはすべて「元ネタ」を持つ「ダブルミーニング」だという事、意図的に元ネタを連想・想起させる事を狙って名付けられているという事、元ネタそのものに「圧倒的な」認知度があるという事などが共通点として挙げられます。

元ネタというのは、商品名や地名などの「名詞」にとどまりません。

現象や状況、お客様に促す動作や行動なども含みますので、この場合の「圧倒的な」認知度というのは、有名な物品や名所だけではなく、ことわざや慣用句、人間の行動など「誰もが知ってる言葉全般」にまでその範囲が及びます。

逆に言えば、元ネタの認知度が「圧倒的」じゃないなら、わざわざダジャレネームを使用する意味もメリットも無い、という事です。ダジャレだという事すら気付かれないなんてさびし過ぎますよね(笑)

「ダジャレ」という言葉でくくられる範囲は本来、中年以上のオジサンが大好物な、いわゆるオヤジギャグなどの「言葉遊びとしてのダジャレ」の事を指しますが、小林製薬さんなどがお得意の「効果効能や使用方法をそのまま商品名にしたモノ」なども、上記の共通点にのっとって考えれば広い意味での「ダジャレネーム」だと言えるでしょう。

さて、ではこのダジャレネーム、なぜ使われ続けているのでしょうか。

ビジネス的な視点から見ると、消費者の商品認知や定着までのスピードが「劇的に早い」という事が言えます。

例えば、私が新しい防虫剤を開発したとして、その商品名に「キョージフクタニ」みたいなオリジナルネームを付けたとします(笑)

「ほな頑張ってコレ、売って行きまひょか!」なんて話になるんですが、実はここからが大変です。

なぜかと言うと、まず「キョージフクタニ」ってのが一体何なのか、という宣伝から始めないとならないからです。

私は知ってますよ、キョージフクタニ(笑)

けど私の周りの人以外は知りませんよね、開発者の名前だという事すら分かりません。

言葉として「防虫剤」と「キョージフクタニ」の間には何の関連性もありませんので、お客様の頭の中で「防虫剤といえばキョージフクタニ」という認知になる為には、メディアで相当数の露出を続けないとお客様には印象が定着しないわけです。

「防虫剤といえばキョージフクタニ」までは望まないにしても、ドラッグストアで防虫剤を探しているお客様が「キョージフクタニ」という商品パッケージを見て「あ、これこれ」と手に取ってくれるようになるまでには、かなりのお金と時間がかかります。

ところが、エステーさんの「ムシコナーズ」あたりだと、この「商品名が脳内定着するまでのメディア露出」が、前者に比べると極めて少量で済みます。

ダジャレネームなので、商品名は消費者にとって「初めて耳にする、ただの名詞」ではなく「既に知ってる、別の意味を持つ言葉」です、記憶に残りやすいですよね。

「ムシコナーズ」⇒「虫がこない」⇒「防虫剤」と、消費者は勝手に連想してくれますので「防虫剤といえばムシコナーズ」という認識がされやすいですし、お店の商品棚でも名前を目にするだけで何に使うものなのかを想起させる事ができます。

限られた文字数で構成された商品名なのに、そこから得られる「情報量の多さ」が、一般名詞の商品名と比べてハンパない。

わずか数文字で、キャッチコピーや商品説明までも兼ねる事に成功していると言えるわけです。

 人間の歴史と共にある「言葉遊び」としての駄洒落

ビジネス的な観点だけではありません。

文化的・風俗的な視点から言えるのは、元来日本人は「言葉遊び」が大好きだ、という事も大きな理由として挙げられます。

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例えば「オヤジギャク」という言葉がありますが、あれは今のオヤジ世代の方々が小さい頃からダジャレばっかり使って大人になった、という事ではありません。

40年前の日本では「ヘタなシャレはやめなシャレ~」みたいな言葉がアチコチで交わされ、それがドッカンどっかんウケてたのかといえば、もちろんそんな事はないわけです(笑)

このくらいの年代になると言いたくなる、つい言ってしまうという傾向があるんですよね。

日本語に長く慣れ親しむ程に、なぜか皆さんそういった言葉遊びをしたくなってくるみたいなんです、簡単に言えば「ウマい事言いたくなる」わけです(笑)

長寿番組「笑点」の大喜利でお題となるような言葉遊びは、日常生活で使うとなると「オヤジギャク」の一言で片付けられてしまいがちです。

しかし、ネタとして面白いかどうかは別にして、誰かが「ウマい事言うなぁ~」と感じるダジャレネタは、他の人が聞いてもウマいとは感じますよね。

私達には、誰に習ったわけでもないのに「ダジャレスキル」の高い低いを、少なくとも耳で判断出来る土壌が勝手に出来ているようなんです。

しかも、前述のダジャレネーム定義での「共通点」を踏襲していますので、「元ネタ」という言葉の共通基盤の上で語られる言葉は、誰の頭にも入りやすく、しかも残りやすいという傾向があります。

プライベートトークでのダジャレが、どれだけ周りにダサいという印象を与えているとしても、ダジャレネームは日常会話の中でも気軽に口に出しやすく伝えやすい。

そして何より、受け手に伝わりやすく耳にも残りやすいので、結果的に商品名は定着しやすく拡散しやすいと言えるわけです。

 ダサいけど脳内にへばり付く! ダジャレネームを活用しよう

歴史的に見ても、小林製薬さんなどのダジャレネームが有名になるずっと以前から、薬の商品名には比較的多く使われています。

富山の置き薬などにもダジャレネームは多かったようですし、商人の町と言われた大阪には「しゃれ言葉」という独特の言い回しがありましたので、そのような商品名があったであろう事は推測出来ます。

現代のダジャレネームによってヒットした商品、ちょっとググってみただけでこれだけ出てきました。

・小林製薬「熱さまシート」
・エステー「ムシコナーズ」
・愛眼「FOR ゆ」
・筑水キャニコム「三輪駆動静香」
・エステー「米唐番」
・小林製薬「サカムケア」
・日本電建「木族の家」
・プラチナ萬年筆株式会社「オ・レーヌ」
・JR西日本「ICOCA(イコカ)」
・JAL「ですかいシリーズ」
・明治「ウカール」
・駿河屋忠兵衛「茶ップリン」
・筑水キャニコム「草刈機まさお」
・USJ「すぱいだぁ麺」
・北海道「まりもっこり」
・グレープストーン「東京ばな奈」
・新発田三新軒「鯖威張る寿司」
・ 東和食品「鮭とばイチロー」
・トキワ「べんりで酢」
・川口技研「スベラーズ」
・松本機工「オリロー」
・内外薬品「ケロリン」 など

海外の製品では「ファーミネーター」という、ペットの毛づくろい用の道具が検索にヒットしました。

もちろん映画「ターミネーター」のパロディですが、「ファー」を「ターミネイト」する道具なんでしょうね。

「ダジャレ」と「パクり」との線引きは、国を問わず微妙なバランスで成り立ってるようです(笑)

ちょっと調べるだけでこれだけ出てくるダジャレネーム、実際に商品名を変更して売れ方が変わった事例もあります。

例えばレナウンが、当初「フレッシュライフ」という商品名で発売した抗菌靴下を「通勤快足」に変更して売上が10倍以上(当時)になりましたし、ネピアの保湿ティッシュ「モイスチャーティシュ」は、中身はそのままにパッケージイメージと商品名を「鼻セレブ」に変える事で売上が数倍に跳ね上がりました。

こうしてビフォア・アフターで対比すると違いがハッキリしますが、ダジャレネームの商品名は、どちらも商品名だけで、ある程度の性能や性質が理解できるだけでなく、商品の使用を通して購入者が得られる「快適な環境」までをイメージさせる事に成功しています。

ただ単に「ダジャレで、なんとなくウマい感じにまとめてみた」というだけでなく(笑)商品名を耳にした消費者がイメージする光景を「明確な着地点」として緻密に設計されたダジャレネームが存在するという事なんですね。

カッコイイけど売れない商品よりも、ダサいけど売れる商品の方がいいという、新商品のネーミングでお困りのあなた!

戦略的にダジャレネームを取り入れてみてはいかがでしょうか。

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