異物混入報道から読み解く、お客様との信頼関係を築く順番

異物混入報道から読み解く、お客様との信頼関係を築く順番

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まるか食品のペヤングカップ麺、マクドナルドのチキンナゲット、和光堂のベビーフードなど、昨年末からの相次ぐ異物混入報道がメディアを賑わせています。特にペヤングの報道は、メーカーの対応のまずさから異常とも思える炎上ぶりを見せましたが、当然のごとくクレーム対応マニュアルを完備し運用しているであろう大手企業が、このような明らかな初期対応ミスを行ってしまうのは何故でしょう。マスメディア報道される事の少ない中小企業こそ教訓として生かしたい、お客様との信頼関係について読み解きます。

目次

ネット時代のクレーム対応

twitterやSNS、ブログなどの個人メディアが普及する世の中となり、クレーム対応の一部始終が不特定多数にさらされる現在では、消費者への不誠実な対応は即、企業イメージの著しい低下につながります。消費者の商品購入回避やメーカーの対象商品回収にとどまらず、愉快犯を生み出す事にもつながり、時に企業は大きなダメージを受ける事となります。

こうした一連の動きがメディアに露出する現在の環境が及ぼす、様々な影響に関しては功罪あると思いますが、今まで消費者が伺い知る事の出来なかった「企業の、顧客に対するスタンス」が垣間見えるようになった現状は、少なくとも買い手を選ぶ立場にいる消費者には歓迎されるでしょう。売り手である企業側には厳しい環境ですが、ガラス張りに近付く商環境に見合った商売のあり方を模索する以外に策はありません。今回の異物混入騒動で言えば、それは再発防止策の具体性云々よりも、そこに至るまでの経緯から消費者が読み取る情報に表れます。

問われる企業のスタンス

ペヤングカップ麺の異物混入問題があれだけ大きく取り沙汰された理由にひとつは、クレームの対応の経緯から露呈した「企業の、顧客に対するスタンス」が、消費者の感情を逆なでした事にあります。具体的には、異物混入商品の購入者が自身のtwitterで『お互いのためが云々いって圧力かけてくるあたりカチンときた。』とコメントした事や、メーカーへの取材の中で『製造過程で混入する可能性は考えられない』という旨の回答があった事などのメディア露出が該当します。

消費者の視点でこの部分だけを切り取ってみると、被害者である購入者を切り捨て保身に走る企業というイメージが浮き上がってきます。悪意の無いペヤングファンにたまたま異物が混入した商品に当たり、メーカーに申し出たにもかかわらず『お互いの為云々」という訳のわからない圧力をかけられ、同時期の取材には『混入の可能性は考えられない』という回答で自社の可能性を全否定する。そしてその回答は、申し出た購入者に原因か悪意があると言っているかのように映ります。

これらの憶測や印象が事実かどうかなど、こうなってしまっては全く意味を持ちません。メディアに挙がった情報の真偽を含め、メーカーにはもちろん言い分はあるでしょうが、最初にこのような印象がついてしまった後では、何を言ってもほころびを縫う為の言い訳にしか聞こえなくなります。消費者の目には、有事の際には顧客の良心を売り、顧客を盾に保身に走る「消費者の敵」に映ってしまうのです。

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悪意ある客の為に犠牲となる、善意あるお客様のジレンマ

さて、一見すると今回の事例は特殊なケースに見えますが、消費者に同様の不快感を与える「売り手側のスタンス」は、日常的に存在します。例えば、少し規模の大きなお店の入り口には万引き防止用のセンサーゲートが設置され、防犯カメラは様々な角度から死角なく店内を監視しています。あえて設備を見せる事で犯罪抑止につながるという意味は理解出来ますが、万引きなど一切考えていない善意のお客様からも、疑われて監視されているような気分で不快だという意見は少なくありません。

売り手は商品を買って頂きリピーターになって頂く為に、お客様から信頼を得ようとしているはずです。しかし信頼される商品を販売し、信頼される接客対応をしたいと願っているはずの売り手が、信用して頂きたいはずのお客様に平気で万引き防止ゲートをくぐらせ、防犯カメラを突きつけているという現実がそこにはあるわけです。こうした状況を見るにつけ、いち消費者として感じる極めて素朴な疑問は「私達が大好きな商品を売っている企業やお店は、一体どれだけお客様の事を信用しているんだろう」という事です。

もちろんいいお客様ばかりではありません。万引きもいればクレーマーもいますし、ただ調子コイてるだけの輩も実際には無視出来ないレベルで存在しますので、防犯対策や犯罪抑止策は必要です。しかし、一部でしかない「悪意ある客」への対策の為に、明らかに多数派であるはずの「善意のお客様」が犠牲になるのは本末転倒も甚だしいのです。善意のお客様ありきで対応して失う資産よりも、悪意の客ありきで対応して失う顧客からの信頼の方が遥かに大きいはずです。

お客様との信頼関係を築く為に必要な、たったひとつのアクション

防犯タグや監視カメラが当たり前、ともすればお客様が自分で自分を無害だと証明しないとお店に受け入れてもらえないような商環境です。だからこそ、この環境から脱する事には価値があります。『慰謝料が~って話をなさる方がいらっしゃいますが請求するつもりは毛頭ないです。慰謝料請求するよりも、ぺヤング食べられる気分になったときに新商品が出ているほうがいいので。』とtwitterで語った、前述の異物混入商品の購入者のような善意のお客様を守る為に。

誰かに信用や信頼をしてもらいたいのなら、まずこちらが相手の事を信用信頼して、その事実を相手に伝えますよね。これって、人付き合いの「当たり前」です。お客様の信頼を得たいのなら、売り手が先にお客様を信じている事を伝えましょう。お客様に好かれたいのなら、売り手が先に好きだと伝えましょう。

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