「食べログ」などの口コミサイトの評価を気にする前に、お店が取り組むべき課題

口コミサイトの評価を気にする前に、お店が取り組むべき課題

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先日「食べログ」の口コミで損害を受けたとして、サイトを運営する「カカクコム」にサイトの情報を削除するよう求めた裁判で、最高裁判所は飲食店側の上告を退ける決定を出し、情報の削除を認めない判決が確定しました。企業やお店は、インターネット時代の口コミとどう向き合えばいいのでしょうか。

目次

口コミサイトの情報が持つ信ぴょう性とは?

まず、裁判の経緯は以下の通りです。

『北海道で飲食店を経営する会社は、「料理が出てくるまで40分くらい待たされた」など否定的な内容を書き込まれ損害を受けたとして、店の情報の削除を求めました。1審の札幌地方裁判所は「店側の要求を認めれば、サイトの利用者が得られる情報が恣意的に制限されることになり、到底認められない」として訴えを退け、2審の札幌高等裁判所も「飲食店を経営する以上、社会的に妥当な『口コミ』であれば損失があっても受け入れるべきだ」として退けました。店側が上告していましたが最高裁判所は上告を退け、情報の削除を認めない判決が確定しました。
NHK NEWS WEB 「食べログ」情報 削除認めない判決確定 2016/06/02』

そもそも口コミは、それを体験した人たちが主観的に感想を広めていくものですので、そこに情報としての中立性は存在しません。また同じ口コミでも、人づてに伝わるリアルの口コミとネットの口コミには、その信ぴょう性において大きな違いがあります。誰がその感想を述べているのかが、口コミ情報の価値を決定していますので、人となりを知る友人が伝える口コミ情報と、ネットの向こう側にいる、どこの誰かもわからない人間が発する口コミ情報とは、受け手にとっての信用度が違うわけです。

また、お店の関係者による身びいきな評価が含まれているであろうことは容易に想像できますし、ウソの評価書き込みを売り物にしている悪質な業者が存在することも過去に話題となっています。本屋に行けば、口コミを起こす為のノウハウが書かれた書籍がいくつも置かれています。現代の口コミは、ある程度コントロールできることが周知の事実となっていますので、本来消費者が望んでいる厳密な意味での口コミは、想像以上に少ないと認識するのが妥当です。

それでもなお、ネットやリアルを問わず、口コミには一定以上の影響力が存在するのも事実です。悪質な業者や関連書籍が存在するのも、口コミ情報が集客において大きな価値があると判断されているからに他なりません。店舗経営者にとっても、ネガティブな評価が世間に晒されていれば、その真偽はともかくとして少なからず客足に影響が出るであろうと心配にもなるでしょう。

口コミサイトのネガティブ評価に対して、過敏な反応を示すのは時間の無駄

結論から先に言えば、口コミサイトのネガティブ評価に対して、必要以上に敏感な反応を示すのは時間の無駄でしかありません。どんな名店でも、それがゼロになることは無いでしょう。そんなことに気をもんでいるくらいなら、ネガティブな評価を無力化することに心を砕いたほうがよっぽど健全です。ネガティブ評価を無力化するというのは、口コミサイトに削除の申請をすることではありません。口コミの絶対数とポジティブ評価を増やすことで、ネガティブ評価をマイノリティに追いやるということです。

口コミサイトのネガティブ評価が気になる要因のひとつは、ネガティブな評価が「目立つ」ことにあります。目立つ理由としては以下の状況が考えられます。

全体的にネガティブ寄りのコメント比率が高く、通して読んだときの印象が悪い
口コミの絶対数が少なく、相対的にひとつひとつのコメントが目立ってしまう

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要するに、ポジティブコメントが集まらない本当にダメなお店か、開業当初などの客数自体が少ないという理由で、口コミ件数そのものが少ないお店のどちらかだということです。ネガティブ評価に過敏な反応を示すオーナー生来の性格を除けば、この原因は裁判や悪質業者に頼らなくても解決が可能です。

ネガティブな口コミの影響力を無力化させる唯一の方法

顔が見えないネットでの口コミ情報や、通販などでのお客様の声の信ぴょう性は、情報の絶対数と、同種のコメントが占める比率で決定します。サンプル数が増えれば個々のコメントが与える影響力は薄まり、全体的に褒めているか不満を訴えているかの比率で判断されるようになります。批判的な口コミの影響を受けない為には、それが影響しないくらいに好意的な口コミの件数を増やすしか方法がないわけです。

また、口コミサイトを集客ツールとして捉えると、ネガティブな口コミに対して過敏な反応をしてしまいがちになりますが、口コミを一意見として受け入れ、同種の指摘が増えないよう、改善のツールとして活用するのが口コミサイトの健全な使い方でもあります。同じ内容の指摘が増えないように改善しながらポジティブな口コミを増やすことで、ネガティブな口コミの影響力は確実に薄まります。

ネットにアップされた口コミ投稿者の真意や悪意を見抜く力は、消費者にも備わっています。同じ傾向の不満や指摘が散見されれば信ぴょう性を感じますし、逆にそうした指摘が少なく、ポジティブな評価が目立つのであれば気にする人はほとんどいません。ネガティブな評価にいちいちヘコんでいる時間があるのなら、同種の口コミを再発させない為の改善に使うほうがはるかに建設的だと言えるでしょう。

顔の見えない「誰か」の口コミを気にする前に、目の前のお客様に向き合おう

お客様商売をしている人たちにとって、本当に気にかけるべき口コミは、ネットではなくリアルで行われる口コミです。前述した通り、ネットとリアルでの口コミでは影響力が雲泥の差があります。見ず知らずの人間が書いたテキスト文字での批判よりも、顔の浮かぶ人間が感情を込めて伝える批判のほうが、圧倒的に心情が伝わりやすいからです。

しかも、ネットと違いリアルなネガティブ口コミは、誰が発してどこでどのような伝わり方をしているのかが、店舗経営者には知るよしもありません。お店が気付くのは、その口コミの影響で客足が遠のき、数字に表れるようになってからです。これは、手遅れを意味します。原因も発生時期も特定できないまま、少しずつ確実に来店者が減るのですから対策のしようがありません。

既にお店を好意的に見ている常連さん達は、あらためて口コミサイトの評価など見ませんし、見たとしても自身が体感した印象に従います。彼らからお店を好意的に紹介された知人が、もし先に口コミサイトのネガティブなコメントを目にしていたとしても、知人の評価に重きを置くでしょう。

どちらにせよ、目の前に現れるお客様にお店が提供できるポテンシャルのすべてを注ぐ以外に方法はないわけです。目や耳に入る批判にただ翻弄されるのではなく、内容を精査して改善にウェイトを置く営業活動を続けることが、口コミを味方につける最善の策だと言えます。

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