サービスマニュアルとの向き合い方

どもっ!商売力養成コンサルタントの福谷です。

複数の人に一定の基準で作業をしてもらう為に用意される「マニュアル」というモノ。

どんなちっぽけな家電にも取り扱い説明書というマニュアルはついてますし、複数の従業員を配置する接客商売などの「人を取り扱う仕事」にもマニュアルは存在します。

「『人を取り扱う』って、どんだけ相手に失礼な言い方やねん!」

上の文章を見て、少しでもそう感じた方はご自分の感性の正常さを褒めてあげてください(笑)

この「人を取り扱う」という言葉は、接客マニュアルを「使う」会社と、接客マニュアルに「使われている」会社の違いを端的に言い表しているのではないかと私は思っています。

そもそも接客マニュアルが何故あるのかというと、だいたい以下の理由になります。

・書かれた手順通りにやれば、誰でもその作業が同じように出来るようになる

・教え漏れが無く、教える人のトレーニングスキルに左右されにくい

・教える人がベッタリ付かなくても自習が可能

確かに「人の動き方」をマニュアル化すれば、このようなメリットはあります。

ところが、接客マニュアルを採用する会社の多くは、マニュアル運用開始の時点から、ある大きな過ちを犯します。

それは、接客マニュアルを「バイブル化」してしまうという事です。

お店の決まり事として明文化した接客マニュアルが理解実践できているかどうかを、仕事の評価基準の「全て」だと錯覚してしまうんです。

例えば、働き出して三ヶ月の人にも三年の人にも、「マニュアルを守っているか」という基準を、同じウェイトで判断しようとする。

かといって、マニュアル以上のフレキシブルなサービスを提供しても、そのアクションを「具体的に」評価する基準は用意されていない。

本来は守るべき最低限の「基本手順」だけを書いているはずの接客マニュアルが、いつの間にか「そこに書かれた内容が全て」にすり替わってるんです。

接客マニュアルってのは、結局のところは「チェックリスト」と同じです。

よく目にするところではショッピングセンターやスーパーのトイレになんか貼ってある、時間割りされた清掃表みたいなヤツ、アレと同じ程度のものなんです。

鏡は綺麗か、便器は汚れてないか、ロールペーパーは切れていないか、こういった最低限の項目に「レ点」を入れて手順通りに清掃していく事が「仕事の全て」だと認識してしまうと、いったいどういう事になるのか。

それ以外の事をしなくなります。

チェックリストに載ってないから配管のつまり具合は見ない、匂いの変化を気にしない、小便器でお客様がおしっこをしてても挨拶もしない、それどころかその横に立って平気でウォッシャー液を補充しようとする。

これがマニュアルに「使われている」会社で働く従業員の姿です。

接客で起こり得る全てを書き出してマニュアルにするのは不可能です、書ききれるわけがありません。

ブリタニカの百科事典くらいの厚みにしていいのなら可能ですが(笑)誰も読みませんよね。

ですので、接客マニュアルには「最低限の作業手順やルール、ガイドラインの紹介」以上の意味を持たせてはいけませんし、実際その程度の事しか盛り込まれてはいないはずです。

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それが出来れば満点なのではなく、それすら出来ないのなら働くべきでは無いという認識になる程度の事しか書いていないはずなんです。

ところが、いざ接客マニュアルを使い出すと、いつのまにか一人歩きして「それが全て」だという認識に変わっていってしまう傾向が非常に強い。

接客にはイレギュラーが存在する事を大前提に、骨格となる最低限の手順だけが明文化されているという事を新人には最初に充分伝えておく必要がありますし、教える側も接客マニュアルの「位置付け」を充分に理解し、それ以上の価値をマニュアルに求めないように周知徹底する必要があります。

「接客」という業務は何の為に行うのか?

理由は全部、まるっと一つ残らず、「お客様に、また来て頂く為」のはずです。

次回も買って頂く必要が無いのなら、大抵のタブーは無くなりますよね。

鼻をほじりながら接客したって、最終的にお金さえ払ってもらう所までこぎつければ仕事は成立するって事になる(笑)

バイブル化しないといけないのは、最低限の事しか書いていない接客マニュアルでは無く、そのマニュアルが出来たバックボーン、何を目的に私達が仕事をしているのかという事です。

目標、ビジョン、ミッション、理念、言い方は何だっていいのですが(笑)新人に教えるべきは正にその部分で、接客を介してそれらを実現する為に、私達商売人には何が出来るかを考えながら仕事をする「習慣」を作る事なんです。

マニュアルで組織を機能させるのではなく、ビジョンやミッションで機能させましょう。

マニュアルにマニュアル以上の意味を持たせると、組織はそれに自らが縛られ、じきに硬直化します。

元々が不完全なマニュアルの遵守に重きを置くと、それに使われる人間の動きや発想は硬く貧困になります。

ビジョンやミッションの遵守に重きを置くと、動きも発想もフレキシブルになります。

あなたの職場にある接客マニュアルが、従業員が五感を働かせて仕事をする事を制限するような位置付けになっていないか、ぜひ一度確認してみてください。

ちなみにこのリンク、本文にあんまり関係無さそうですが(笑)席を譲りましょうというマニュアルが世の中にはあると思ってる人と、席を譲らなきゃと自分で判断する人の違い、的な・・・
え?無理ある?・・・ですよねぇ(笑)

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