商品選びとブランディング -『売れるものなら何でも売る』という営業方針が、商売に及ぼす影響とは-

商品選びとブランディング -『売れるものなら何でも売る』という営業方針が、商売に及ぼす影響とは-

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どもっ!商売力養成コンサルタントの福谷です。

どこかのお店に入って、「なんでこんなモノ売ってるんやろ?」と、思ったことはありませんか?

喫茶店のレジ前に、なぜか趣味で作ったようなアクセサリーが売られていたりするアレ、個人経営のお店などで、たまに見かける光景ですよね。

規模こそ違いますが、チェーン店でも見受けられます。

写真館でもコンビニでもないのにDPEを受け付けていたり、まったく異業種のカタログや商品パンフレットが置かれていたりします。

売れたら手数料が入る契約なのでしょう、明らかに本来の業種から外れたカテゴリの商品を扱っている感じです。

まぁ、売れたらラッキーですよね。

チェーン店や企業が経営している場合は特にですが、いろんなお客様を呼び込む為だとか、来店の「きっかけ」を作る為だとか「ついで買い」を誘発する為だとか、もっともらしい理由(笑)がちゃんと用意されていますし、実際に売り上げもゼロではないでしょう、スタッフが片手間で対応してもなんとかなるレベルなんだと思います。

けど、これってどうなんでしょうか。

本来売っているモノ、元々売りたかったモノとはまったく関係ないモノを売るという行為は、あなたの商売を長期的にみた場合、何の影響もないのでしょうか。

目次

その商品展開は、本当にお客様に受け入れられ、売り上げや利益に貢献しているのか

たとえば私がネジを売るとします、ネジ。

「よ~し、オイラ今日からネジ屋になる!」

って、ネジを一種類だけ仕入れたって誰も買わないですよね、そんな貧相なネジ屋さん見たコトないはずです。

ネジって長さも太さも、どんな場所にねじ込むのかも違いますから、かなりの種類を用意しないと誰も買いになんて来ないわけです、お店としての魅力がなさ過ぎて。

では「ネジ屋として頑張るゾ!」とばかりに、1000種類くらいのネジを揃えたんだけど「それだけじゃ売り上げも足らんな~」ってなった時、次にどんな商品を揃えるか。

たぶん、いまネジを買いに来るお客様がどういう人たちなのか、何の為にネジを買いに来るのかを考えて、似た目的を持つ商品を選ぶと思うんです、ボルトやナットみたいな。

さらに、ネジ穴というものにフォーカスしてドリル、開けた穴を埋める為のパテや補修材、スムーズにネジ留めする為の工具、こういったものを増やすと思うんですよね。

では、「ネジ屋」という看板を見て入店したお客様は、店内に陳列されたボルトやドライバーを見て

「なんだよ、全然ネジ屋じゃねージャン!」

ってガッカリするでしょうか。

しませんよね、全然しない。

むしろ「穴を開けて何かと何かをくっるける」専門店らしく感じられて喜ぶはずです。

これは、取り扱っている商品すべての、カテゴリという『軸』がブレていないからなんですね。

ところが、ネジ屋に手作りアクセサリーやDPEサービスがあると、印象はまったく逆になります(笑)

ボルトやドライバーならお店の信頼度まで上がるのに、手作りアクセサリーやDPEサービスなら「ココ一体なに屋なの?」ってなる。

お店の信頼性が損なわれるとまでは言いませんが、少なくともこれでお店の評価が上がることを期待するのは難しいわけです、元々取り扱っている商品への「良い影響」や相乗効果がまったくないわけですから。

この違いは何なんでしょう。

案外私たちは、「どの商品を増やすかによって『日銭以外の得られるもの』に、相当大きな違いがある」という事実に気付けていないのかもしれません。

本業の発展に寄与する商品と、発展の妨げになる商品の存在を知ろう

これは、取扱う商品のチカラで商売の『幹』を太くしようとしているのか、それとも『枝葉』だけを増やそうとしているのか、という方向性による違いです。

「専門店」になろうとしているのか、「よろず屋」になろうとしているのか、と言い換えていいかもしれません。

どっちがいいかという問題ではないんです、全然。

しかし、どっちを目指すと結果としてどうなるのか、ということは最低限知っておかないと、場合によっては後戻り出来ない印象をお客様に植え付けてしまう可能性があるんです。

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最初の例でいえば、写真をプリントしたいと思った時、カメラ屋より近くにDPEを受け付けてくれるお店が近所にあれば、たとえそこがタバコ屋だろうがクリーニング屋だろうが利用するかもしれません。

一見すると、本業には一切影響なく小銭が入ってくる、という状態です。

キャッシュはもちろん大切ですから、商品の間口を広げたおかげで何かが売れたというのなら、何も売れないよりはずっとイイ……、のかもしれません。

しかし、これってやっぱり「本業」を頑張ってるんじゃなくて、「副業」をやってるんですよね。

コックさんが、営業の合間に新メニューの開発をするかアフィリエイトをするか、くらいの違いがあると思うんです(笑)

お金はお金なんで、どっちの方向で頑張っても、同じ金額の売り上げや利益が出たらいいんでしょうが、コックを自分が頑張りたい仕事だと思っているのなら、そこの成長につながらない努力「だけ」でキャッシュを獲得し続けるというのは、本旨から外れているわけですよね。

あなたが本来売りたい、本当に繁盛させたい『商売の幹』を太くする為に商品戦略を練るのか、それとも幹はそこそこに、適度に『商売の枝葉』を生い茂らせて帳尻を合わせたいのか。

この違いって大きいですし、この違いを知らずに、または気付かずに『売れるモン何でも売っとったらお店は大きなるネン!』という商売をしていると、最終的にとんでもない場所に着地することになります。

その着地点の良し悪しではなく、自分がその場所を望んだ上で立ってるのかってことです。

最終的にお店をどう繁栄させたいのかというビジョンがあって、それに沿っているのなら問題はありませんが、本業の幹を太らせるつもりでいるのに、副業をやってる自覚がない為に、迷走したり脱輪してることに気付けないという事態だけは避けたいものです。

魚屋が、人気だからとSIMフリーiPhoneをサバの隣に並べて売ったって、それは魚屋としての信用や信頼を高め、商売の幹を太くすることにはなりませんよね(笑)

無秩序に商品幅を広げてもコンビニには到底勝てはしませんし、その中途半端さゆえの片手間感がにじみ出ると、お客様から本業への姿勢や思い入れまで軽く見られるという誤算も生みます。

お客様はプロから商品を買いたい、これは業種を問わず消費者が考える「事実」なんです。

商品選びは、あなたの商売の未来を決めるブランディング

ただし、元々売っている商品カテゴリとはまったく違ったモノを売っても、商売の幹が太く育つパターンも存在しますので、最後にそれをご紹介します。

そのパターンとは、商品にオーナーの趣味や嗜好が表れていて、それをお客様が受け入れる環境(関係)が構築された後なら、という「条件」をクリアしていることです。

たとえば、魚屋のオーナーさんが無類のハイテクおたくで、そのキャラがお客様にも広く認知されている場合。

お客様がスマホやタブレットの機種選びで迷った時は、ヨドバシカメラに行かずにサンマを買いながらオーナーさんに相談するくらい造詣の深さが認知され、信頼もされてる(笑)

この場合は、サバの横にSIMフリーiPhoneを並べて売っても『商売の幹』だと言えるでしょう。

「iPhone7は防水やから、サバがはねても大丈夫!」ってふざけたら、逆に売り上げアップするくらいです、iPhoneの(笑)

その魚屋で魚を買う理由のひとつが、「あのオーナーさんがいるから」というコミュニティが構築されているから『商売の枝葉』にならないんですね。

将来お店がどうなりたいというビジョンに沿うから、コレを売る。

将来お店がどうなりたいというビジョンに沿わないから、コレは売らない。

商品選びは、立派なブランディングなんですね。

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