感性の刃を研ぐ

どもっ!商売力養成コンサルタントの福谷です。

前回までのブログで、「どんなに効果があると言われる販売戦略に則って販促活動をしても、ライバルが同じ戦略を採っていたら、その販促物を目にするお客にとっては違いが判別できず、狙った通りの効果を生み出さない」という話をしてきました。

今回は、「客観的に自分の作った販促物(POP)を見る」という話をしたいと思います。

実は販促ツールに限らず、自分が作ったモノを客観的に見るというのは簡単なようでけっこう難しいです。

何故なら、自分が作った「主観的なモノ」を客観的に見る為には、自分の中の意識や価値観を、その都度切り替える必要があるからです。

あなたは今おいくつでしょうか?

私は今年47歳になりました。

何を突然…と思ったかもしれませんが、昔の写真や映像を思い出して欲しいのです。

例えば私でしたら成人したあたりの1980年代、当時の町並みや人々の映像を時々テレビなどで観る機会があります。

たまに見るとビックリします、何ならちょっと笑ろてまいます(笑)

やたらと太い女性の眉の形、意味不明なジャケットの肩パット、明らかに今と違う化粧やファッション、ヘアスタイルがそこにあります。

懐かしいですよ、私には。

懐かしいですが、「なんか変な格好してンなぁ」って感じます。

当時はもちろん、その風俗を変だなんて思っていません。

なぜなら、その時代・その空気にドップリと浸かっていたからです。

自分もまわりも全部同じテイスト、しかもそれは突然変異ではなく、日々暮らす中で少しずつブームとして移り変わっていったものです。

今、当時の映像を見て「変な格好」だと思えるのは、自分自身が2013年というステージに立っているからに他なりません。

当時の文化や風俗の中に身を置いていたら、そんな事は決して思わないでしょう。

自分が置かれた環境が変わる事で、以前自分が当たり前だと思っていた事を自然に「違う」と思えるようになったのです。

このように、自分の作った販促物を客観的に見る一番簡単な方法、それは「時間をおく」という事です。

もしあなたが、絵を描く、文章を書く、工芸品を作るなど、「何かを作る」事を趣味か仕事にしているなら、この話はすぐに納得して頂けるかも知れません。

「何かを作る」人は、自分が作った作品が完成した直後は「最高傑作が出来た」と感じていても、時間が経ってその作品を見返すと、それがアラだらけに見える事がありますよね。

またまた私事で恐縮ですが、先ほど例に挙げた1980年代の大学当時、私はイラストレーターになりたいと思っていましたので絵を描いていました。

徹夜してグァ~っと絵を描き上げた直後は「絵、上手くなったねオレ」と調子に乗って筆を置くんですが、しばらく経ってその絵を見直す時のどんよりした気分ったら無かったです。

もうねぇ、松田優作と言う事一緒、「なんじゃこりゃ~~!?」ですよ(笑)

こんなのをちょっと前の自分は「上手いね」とか自画自賛してたんかいっ!?って落ち込むわけです。

このように時間というのは、あなたをクールダウンしてくれる最も確実な方法なのです。

しかし、これは趣味の話ではありません。

ビジネスです。

チラシを作る度に何ヶ月も熟成させてるヒマなんか無いですよね(笑)

何とかして、お客の目に新鮮に映る販促物を創造しなくてはなりません。

意図的に自分の中の意識や価値観を切り替える必要があるんです。

自分が作った、少なくとも関与したモノが客観的に見れなくなる理由は、概ね以下の通りです。

・製作者としての思い入れ

・作成段階からそれを目にしている圧倒的時間と、それが原因となる五感の麻痺

・前回のブログに書いた、「効果がある」などの外部情報による妄信や思い込み

要するにほとんどの場合、自分が深く関与しているというだけで、言葉通り「客観的」では無く「主観的」な立場に立ってしまっているわけです。

そして誠に残念なお知らせですが、これを克服する方法は時間使って感覚を「クールダウン」する以外に無いのです。

残念です・・・合掌。  チーーン!

と言ってしまうと話が終わってしまいますので(笑)時間が惜しい商売人であるあなたは、販促ツールに対して別のアプローチを行う必要があります。

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自分の感覚を研ぐ、ちょっとした訓練です。

一日五分、簡単に出来ますので日課にして下さい。

何をするのかと言うと、「他人の販促物で違いを感じ取る訓練」です。

新聞に折り込まれるチラシやテレビCMにネットバナー、あなたが関与する媒体なら何でもいいのですが、とりあえずここではチラシで説明します。

普通、消費者としてチラシをめくる時は、ある程度自分が探している情報の守備範囲がありますよね。

スーパーや家電量販店など、自分が必ず目を通そうとするジャンルがあります。

家が欲しくない人は不動産関係のチラシはスルーするハズです。

まず、このチラシの読み方を変えてください。

頭を白紙にして折り込まれた全てのチラシを一枚ずつめくっていき、少しでも目に留まった、気になったものを横に抜き出してください。

その時、気になった理由は考えないでください。

「ンッ!?」と少しでも何かを感じたら抜き出します。

その作業が終わったら、抜き出したチラシを今度はゆっくり眺めます。

そして、ここで初めて「何故このチラシに惹かれたのか」をじっくり考えます。

色使いなのか、キャッチコピーなのか、価格なのか、レイアウトなのか、写真なのか、紙質なのか、色々と理由があると思いますが、ここで大事なのは、「ちゃんと言葉にする」という事です。

口に出さなくても構いません、「ヘッドコピーの文字の色が真っ赤で気になった」「左上の写真の子供の撮影アングルが珍しくて気になった」少なくとも頭の中でちゃんと言語化しましょう。

分析が終わったら、あなたのチラシを見ます。

すると、今日分析した内容と比較して自分のチラシはどう目に映るか、どこが違うのかという「差異」が頭に浮かんでくると思います。

これも言語化する。

これを毎日繰り返してください。

ずっと繰り返してこの作業を行うと、自分がチラシを新たに作成する時に、自然と訓練していた時に浮かんでいたチェックポイントが意識できるようになります。

販促物はお客目線でどう映るかが重要です。

重要どころか、取っ掛かりとしてはそれが全てだと言っていいくらいです。

しかし、あなた自身が完全な消費者として世の中の販促物を見てしまうと、いつまで経っても自分の目は鍛えられません。

なぜなら、いつもの自分・消費者としての目線だけでチラシを見続けてしまうと、そのチラシに目が行った理由が自覚できないままだからです。

お客様には、そのチラシに「ハッ」とした理由なんて関係ありません。

何に「ハッ」としたかなんては、こうやって意識しないと普通は自覚できないのです。

「何故私はこのチラシが気になったのか」というフィードバックを繰り返す事で、あなたが作るチラシの中にお客の心を動かす要素を具体的に表現できるようになるんですね。

前回のブログで挙げた例のように、理論立てて追求する事でわかる同業他社との差異もあります。

今回のように、消費者としての感性を言語化する訓練を自分に課す事でわかる同業他社との差異もあります。

どっちにしろ商売人である私達は、日頃から世間や業界での常識を疑い、消費者として日頃ぼんやり眺めているモノの仕組みを解明しようとする意識付けの習慣化が必要です。

こうして磨かれていく「感性の刃」は、いつかあなたが商売を辞める時まで休まず研ぎ続けなくてはならないモノなんです。

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