接客を「お客様へのご奉仕」だと思ってるお店のサービスは、たいていツマンナイ

どもっ!商売力養成コンサルタントの福谷です。

 

私の知る範囲ですが、このタイトルはだいたい当てはまっています。

 

つまらんと言っても、お客様自身が怒って帰ってしまうような、不快な接客レベルだという意味ではありません。

言葉使いは丁寧だし、そういう意味では文句はないけれど、じゃあそれでお店の印象がアップしたりファンが増えたりするのかなと考えると、たぶんそれもナイだろう、みたいな「仕組み」が存在しているお店のことです。

もちろん「接客とはご奉仕である!!」みたいな理念を従業員室に掲げてるイカレたお店なんてないと思いますが(笑)店内ルールや行動規範などの「仕組み」を伺ってみると、事実上の「ご奉仕ルール」になっているお店が少なくありません。

 

店内ルールがお店の質を決める

どういうお店が「ご奉仕ルール」を持っているかというと、だいたい以下のような傾向があります。

・~してはならない、という「禁止ルール」が多い
・~しなくてはならない、という「義務ルール」が多い
・お客様を不快にさせないことを目的にしたルールが多い
・ゴールやビジョン、お店の理想の姿を知らされていない
・従業員の笑顔や声に力がない
・従業員がお客様に何かとへりくだってる
・応対が全般的に受身
・従業員がつまんなそう

こうして書き出したものを読むと、いかにもつまんなそうに見えると思いますが(笑)この状況を生むのは従業員それぞれの素養なんかではなく、お店に存在するルールと、それを「守らせる側」のスタンスや言動です。

要するに、経営者のスタンスがそのまま従業員の立ち居振る舞いに表れているということです。

 

先ほども書きましたが「接客とはご奉仕である!!」とか「お客様にはペコペコしている事!」なんて卑屈なルールを使ってるお店はありません(笑)

しかし、「禁止ルール」や「義務ルール」が人材教育の柱になっているお店の接客は受動的、そつが無いと言えば聞こえはいいですが、そこに魅力があるかといえば疑問です。

 

では、能動的なサービスとは何でしょう。

大きな違いとして挙げるとすれば、それは「許可ルール」が存在し、機能していると言ってもいいかもしれません。

「許可ルール」

方向性と最低限の禁止事項を示して、あとは自由裁量となるルールのことです。

 

方向性とは何かというと、上に書いたご奉仕ルールの傾向の4番目「ゴールやビジョン、お店の理想の姿」に起因するものです。

お客様の満足感だったり、笑顔だったり、地域貢献だったり、従業員のやりがいだったり、そこには様々な理想の姿があると思いますが、それを実現する為には好きなようにやっていいという「許可」があるか、ということです。

そしてそれは絵空事のビジョンや理念ではなく、それを実現する為の裁量をちゃんと従業員に与えているか、そのアクションを仕事の一部としてちゃんと認め評価しているかが肝となります。

 

たとえば、これは私の個人的な話なので、あんまり共感はしてもらえないかもしれませんが、私は知り合って間もない人と話す時、「この人の笑いのツボはどこだろう」ということを必ず考えます。

ウケたいんです、私(笑)

ウケたいと思ったことがない人は、「この人と盛り上がる共通の話題は何だろう」という質問に置き換えて、この先をお読みください。

ウケるツボって人それぞれです。

自虐的な話でウケる人とそうじゃない人、下ネタでニヤリとする人と眉をひそめる人、ノリツッコミに反応する人とポカンとする人、ホントいろんなタイプがいらっしゃいます。

 

実際に私がウケるかスベるかは別として(笑)少なくとも私はこれを「奉仕」だとは考えていません。

奉仕する義理なんてそもそもないんです、話す相手と私は基本的に対等ですから、人として失礼にならない立ち居振る舞いさえしてれば、へりくだる必要なんて全然ありません。

これを通じて相手のことを知ろうとしたり、距離を縮めたいという下心ももちろんありますが(笑)とにかく「笑ってる気をよくしている相手の顔を見たい」というというのが原動力になっています。

これが、いわゆる「サービス精神」というヤツです。

根が陽気でも社交的でもない私にでさえ(笑)サービス精神はあります。

しかしツマンナイお店、「許可ルール」のないお店には、この「サービス精神」が存在しないんです。

 

お客様へのサービス精神が生み出す好循環

お客様とお店は対等です。

商品やサービスの対価としてお金を頂いています。

「禁止ルール」や「義務ルール」が人材教育の柱になっているお店の接客は、実質的には「対価の追求」に終始してしまい、残念ながらお客様が「価格以上の価値を提供してもらった」という印象を得るレベルにまでなりにくいというのが現実です。

不快にさせない、トラブルを生まない、トラブルが発生してもすみやかに対応する。

これらはとても大切なことではありますが、よほど鮮やかに振る舞わないとお店のファンにまではならないでしょう。

ですので私達商売人は、対価を超えるハイクオリティなものを提供するか、対価の提供を最低品質とした上で「まったく別の何か」を提供しないと、魅力的なお店だという認識をしてもらえないわけです。

 

そこで必要となるのが「サービス精神」です。

お客様に価格以上の価値と魅力をお店に感じて頂く為に出来る、もっともローコストな方法が「サービス精神」を発揮することです。

その為には必要なものは、奉仕の精神でもなければ、お客様は神様ですという卑屈な接客マインドでもありません。

お客様の満足感だったり、笑顔だったり、地域貢献だったり、従業員のやりがいだったりという「お店が見たいもの」をビジョンや理念としてブチ挙げ、その実現の為に必要な「許可」や「裁量」を、経営者が従業員に与えるだけでいいんです。

奉仕や対価という接客サービスの枠をはみ出して、どうやってお客様を楽しませよう、どうやってお客様の笑顔を引き出そう、どうやってお客様のありがとうを引き出そう、という発想で取り組むことが「オモロいお店」を作る原動力となります。

商品ディスプレイ、POP、DM、チラシ、お客様との会話、従業員の動き、お店が発信する情報すべてに変化が表れてきます。

変化に気付いたお客様の一部が反応し、反応があったことで従業員の想いは更に加速を始めます。

お客様のポジティブな反応は、お店の従業員にとって「ありがとう」と並ぶ、魂のごちそうですからね(笑)

こうしてお店はゆっくりと、しかし確実に好循環をはじめるわけです。

 

軸足を「お客様を不快にしない」から「お客様を愉快にしたい」に変えることで、ずいぶんいろんな物事が変わります。

あ、今ウマいこと言いましたよ私(笑)

そういう意味でもビジョンやミッション、理念のたぐいは重要なんですね。

お客様がツマンナイと感じているお店なんて、働いてるほうだってツマンナイんです、そんなの自分でも薄々気付いてます、みんな。

「禁止ルール」と「義務ルール」に縛られた接客サービスなんて続けてたら、誰だって息切れしますよね、窮屈な割りにもらえる笑顔もありがとうも少ないんですから。

どうせやるなら好循環のある、いろんな意味で「ウケるお店」にしたいですよね。