どもっ!商売力養成コンサルタントの福谷です。

今回は前回の内容の続きとしてイノベーターとフォロワー、「先発組」と「後発組」の違いがいかに大きいか、という話です。

あなたは「まだ家は建てるな!」というキャッチコピーの住宅販売チラシを見た事があるでしょうか?

おそらくそのままズバリか、それに近いフレーズの折込チラシを目にした事があると思います。

このキャッチコピーを世に広めたのは平 秀信さん、神田昌典さんに師事し、住宅販売会社社長として業界に革命的な販売方法を広める一方で、様々なジャンルの商売に参入されていらっしゃった方です。

さて、平さんの会社はローコスト住宅を販売していました。

売り方としては、まずチラシを打ちます。

この広告が今回のポイントとなるのですが、チラシのキャッチコピーに「まだ家は建てるな!」などという刺激的なフレーズが使用されます。

「そろそろ家を…」と考えている人は、そのコピーに目が釘付けになります。

そりゃそうですよね、家を売ってる工務店が家を買うなと言ってるんですから相当なギャップを感じるはずです。

「何でやねんっ!?」ってなモンですよ。

そのチラシ、キャッチコピーの横には「失敗しない家作りの方法」などが書かれた小冊子を無料でプレゼントすると書かれています。

一生のうちに家なんてそう何棟も建てるわけじゃありません、誰もが購入には慎重になるでしょうし、「家」を建てる事に関する情報もほとんど知りません。

見込み客は、まさに自分が今必要な情報だとばかりに小冊子を請求します。

チラシにはその他にも購入したお客様のコメントや、現場の棟梁や社長の顔写真、安い値段で家を建てる事が出来る理由が載っており、明らかに大手住宅販売会社の広告とは一線を画する構成となっています。

購入に至るまでのステップはこの後も続きますが、今回ここでは割愛します。

興味のある方は是非一度、平さんの著書をお読み頂ければと思います。

この販売手法の「広告効果」はというと、もちろん大爆発です。

大手住宅会社が高額商品で使ってしまいがちな「イメージ広告」や、価格や性能を極度に強調した「売る気満々広告」で販売している中、「家はまだ建てるな」という刺激的なキャッチコピーや、現場の顔や熱意が感じられる広告は、初めて家を建てる人には見事なまでのインパクトを与えます。

さて、私の話はここからなんです。

このローコスト住宅の販売ノウハウは、マニュアルとしてパッケージされ全国の同業者に高額で売り渡されました。

内容の一部は一般書籍としても販売され、ロングセラーとなっています。

こんなにも目新しく、しかも突出した実績が出ている販売方法ですから、今まで売上が振るわず苦しんでいた中小住宅販売会社は飛びついた事でしょう。

当然ですよね、彼らにとってはまさに救世主の登場です。

私は今、滋賀県に住んでいますが、平さんが著書で紹介している手法をマンマ使っている会社がいくつもあります。

キャッチコピーの言葉尻こそ若干違えど内容は同じ、チラシに社長自身の顔や棟梁が登場する「顔の見えるチラシ、モノを売らず人を売る」構成も同じです。

ひどい会社になると、平さんのところの棟梁が言った言葉をそのまんま自分の会社の棟梁が言った言葉としてチラシに掲載している所もあります。

「え?棟梁、滋賀の工務店に転職したん?」って感じです(笑)

私は、私の自宅を商圏とするエリアにいくつの工務店があり、その内のいくつの工務店がこの手法を使っているのかは知りません。

しかし、その地域で最初にノウハウを手に入れた工務店が「まだ家は買うな!」というキャッチコピーでチラシを折り込むのと、十番目にノウハウを知った工務店が同じ様に「まだ家は買うな!」と広告するのでは、その訴求効果に大きな違いがあるだろうという事は、前回のブログをお読みになった方には想像に難くないでしょう。

週末の新聞に折り込まれている工務店のチラシ、そのほとんどに同じ意味合いのフレーズや構成が並んでいる。

わざわざ高額のノウハウを購入する意味ないですよね。チラシを見た人はどの工務店を選べばいいのか完全に基準を見失ってしまいます。

「まだ家は買うな!」というキャッチコピーは、他社がイメージ広告や性能重視のカタログ広告を打っているという「まっさらな環境」で使用したからこそ、その広告効果が最大に発揮されたんです。

「このマーケティング方法は効果あるでぇ~」という噂を聞きつけて、それを猿真似して地域で十番目に使用したとしても、きっと「聞いていた程の集客効果も、お客様からの問い合わせも無いよなぁ」となるでしょう。

同じ商圏内の同業他社が、そろいも揃って「まだ家は建てるな!」では、結局お客の目には、同じような事を言ってる「その他大勢」な工務店が一つ増えたように映るだけなんです、何なら一つ増えた事にすら気付いてもらえてないかもしれません(笑)

理論的にも革新的、その上驚異的な実績が出ている優れたマーケティング手法でさえ、それを投入する「環境」で大きく効果が変化するのです。

その事に気付かず、マーケティング本だけを読んで「こりゃええわ!」と鵜呑みにしてその方法を実践しても、最終的にあなたはきっと貴重な広告費をドブに捨てる事になります。

ドブに捨てないまでも、期待していた効果も得られず、鈍い費用対効果をやがて「当たり前の事」として認識してしまい、売れてんだか売れてないんだかよく判らないまま経営状態が着実に悪化していく事でしょう。

無料レポートを請求してもらい、見込み客を獲得してから住宅を販売するまでのフローが同じなのなら、少なくとも「地域後発組」となる工務店は、キャッチコピーをもう少し頭を使って「ヒネる」べきです。

「ツカミ」が新鮮・刺激的で、なおかつレポート請求に繋がるインパクトのあるフレーズを「まだ家は建てるな!」の代わりに考えるべきなんです。

そこに留意するだけで、まるで「地域一番目の工務店」かのような高い広告反応を得られたかもしれません。

その販売手法を開発した人が体感したのと同じくらいの、お客様の反響を実感できたかもしれないんです

それにはまず大前提として、あなたの商売が消費者の目線からのどう見えているかに関心を示さなくてはなりません。

耳で仕入れた情報、昔から効果があるとされている方法を疑い、それが消費者にとってはどういう立ち位置になるのかを知る事で、あなた独自の「見え方」を模索する事が出来るようになるんです。

ダイレクト・レスポンス、ランチェスター、ワン・トゥ・ワン、効果があると認知されているマーケティング手法は数々ありますが、多くの同業他社も同じ事をやってるのであれば、その効果はゼロではないにせよ非常に低いままのはずです。

もったいない、それではあまりにも勿体無い。

今からだって出来るはずです、どうせ同じ時間と費用を使うのであれば、一番効果が出る状態にチューニングしていきましょうよ。

あなたの商売は市場の中にいるお客様の目にどう映っているのか、今すぐ確認してみましょう。