人材のポテンシャルを最大限に引き出す採用活動とは? -即戦力としてではない中途採用がもたらす組織への恩恵-

即戦力としてではない中途採用がもたらす組織への恩恵とは

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大阪の医薬品メーカー、森下仁丹が50代を対象に、前職でのキャリアを問わない「第4新卒採用」を開始しました。

目次

コスト管理の為に採用されている、即戦力という名の中途採用

『募集職種は、営業、商品開発、製造、新規事業開発に関するマネジメント業務(幹部)で、正社員として募集する。前職でのマネジメント経験や、同業界での就業経験は問わず、「入社後にやりたいこと」「やる気」といったポテンシャルを重視して採用する。狙いについて同社の広報担当は「イノベーションを起こせるのは若い人だけではない。豊富な人生経験、ビジネス経験を積んだシニアの方が大きな可能性を秘めている」と説明する。
ITmedia 老舗メーカー、50代を“新卒採用”する理由 2017/02/28』

従来、企業が中途採用を行う理由は、同業他社で得た経験を自社内に持ち込めるというメリットがあるからに他なりません。他社で培われたノウハウを自社導入するチャンスであるだけでなく、業界未経験者である新卒採用に比べて圧倒的なトレーニング時間の軽減につながる、いわゆる即戦力としての魅力が大きいのが理由です。

加えて新卒採用に比べて募集媒体の数も多い為、求人にかかるコストも低くてすむというメリットもあります。大手メディアで大々的に新卒採用を行い、年間を通して採用活動に人とお金を割く必要がなく、単発の求人でまかなえる手軽さが中途採用にはありますので、特に中小企業では中途採用を人材確保の主軸にすえる傾向が見られます。イチから教えなくていい人材が安く手に入る、これが中途採用を行う主なメリットだと言えるでしょう。

前職の経験があるがゆえに起こる弊害

その一方で、中途採用には経験者を採用するゆえの「害」と呼べるものも存在します。前職の経験を偏重するあまり、新しい所属企業の風土になじむ柔軟性に欠け軋轢を生むだけでなく、結果的に長続きしないという傾向が見られるということです。採用担当者がよく口にする「新卒はマッサラで染めやすいが、中途は変なクセがついていて扱いにくい」というニュアンスの言葉は、この傾向を端的に言い表しています。

また、これは中途採用に限らず業界歴の長い既存従業員も含めてですが、業界の常識や枠組みに囚われてしまい、大胆な思考が期待できないという問題もあります。業界の因習に染まり、業界の現状を客観的に見られなくなっている為、顧客指向ではなく業界指向に陥りやすいというものです。

ただ、これに関しては採用企業が「即戦力募集!」とうたっている限り、避けて通ることは難しいでしょう。あくまでも業界に精通していることが採用条件なわけですから、採用された人材が、より業界人らしく、業界内のルールに沿って物事を進めようと考えるのは当然です。経験をかって採用したはずの人間に、新卒のようなマッサラさを求めることは無理があるともいえるでしょう。

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新卒採用に求めていた人材を、中途採用で求める時代が到来している

こうした従来の中途採用に求められる要件を考えると、今回森下仁丹が打ち出した「第4新卒採用」には、新しい人材活用の手立てとして大きな期待がもてます。現状では求職者が中途採用を考える際に、過去の経験をそのまま生かすことが採用条件として求められる為、どうしても就業先が同業界に限られる傾向がありましたが、第二新卒と同様に多くの業界・業種での活躍が望めるようになります。これについては前述の記事で、森下仁丹の広報担当者が以下のように語っています。

『「これまでの採用では、同じ業界でのビジネス経験やマネジネント経験が、逆にイノベーションの妨げになっているという課題があった。新卒採用と同様にポテンシャル重視で幹部を募集することで、会社を成長させてくれる人材を集めたい。また、昔よりも健康寿命が長くなり、50代でも新しい挑戦ができる時代になった。生きがい、働きがいを提供していきたい」
ITmedia 老舗メーカー、50代を“新卒採用”する理由 2017/02/28』

終身雇用が崩壊したと言われて久しいですが、転職が当たり前となった現代で、新卒従業員が転職するまでのわずかな成長期間を通じて生まれる組織内の活性化は、従来ほど望めないのが実情でしょう。組織にとってのマッサラな新人は、組織の色に染まる前に転職するリスクが年々高まっているのが現実です。40年かけて組織に貢献し続ける人材を望むこと自体が幻想に近い状況だと言っても過言ではないでしょう。

だとすれば、中途採用にはその分もっと多くの可能性が眠っているはずですし、従来のように即戦力一辺倒の求人を続けることは、大きな機会損失を招いている可能性があります。イノベーションと言われた過去の画期的商品やサービスの、開発のヒントが他業種にあったという話は誰もが一度は耳にしたことがあるでしょう。異業種での経験がある人材を採用し、そこから起こり得るケミストリーは、業種や規模を問わず期待していいはずです。

明日の組織を支える人材に育てあげるのが新卒採用で、抜けた戦力の穴を手早く埋めるのが中途採用、なんて短絡的な図式はもはや機能しません。30代、40代、50台、それぞれの経験値を踏まえ、即戦力として期待できる経験を買うか組織の活性化が期待できる経験を買うか、新しい時代の雇い方として、中途採用はもっと柔軟にその目的を使い分けていいのではないでしょうか。

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