店舗オペレーションの機械化でお店の何が変わる? お客様とのコミュニティ作りと接客サービスの「次の一手」を考えよう

店舗オペレーションの機械化でお店の何が変わる? お客様とのコミュニティ作りと接客サービスの「次の一手」を考えよう

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どもっ!商売力養成コンサルタントの福谷です。

今日はまずこちらの記事にある表をご覧ください。

【機械が奪う職業・仕事ランキング】
週刊ダイヤモンド編集部 2015年8月19日

人間の労働が、機械によって代替えされる市場を算出して作成された表です。

アメリカのデータですが、日本でも同じ状況だと思って間違いないでしょう。

一位、六位、七位は、お客様商売に直接関係する仕事。

関係するどころか「お店の印象って、ソコである程度決まるんじゃなかったでしたっけ?」くらい重要だったりするパートですよ(笑)

10年もしたら、Pepper とか ASIMO みたいなロボットが「おかわり、お持ちしましょうか?」って言うのかも的な妄想が止まりません(私だけ? 笑)

一位に「小売店販売員」がランクしているのは、おそらくネットショッピングや通販が一般化したことを受けてだと思いますので、ロボットがリアル店舗に普及するのは、まだもう少し先の話だと思います。

しかし接客業務の機械化という点であれば、既にもう街中でも普通に見かける光景になっていますよね。

自動販売機や自動改札機はもはや標準装備ですし、ファミレスや回転寿司でも今では、iPadなどの端末を使った注文が当たり前になっています。

私の自宅そばに最近オープンした弁当屋さん「ほっともっと」では、カウンター横にATMさながらの注文用タッチパネルが設置されており、口頭での注文は一切ナシ、注文に関しては完全な無人化を実現しています。

更に近所のスーパーには、お客様自らがバーコードを機械に読み取らせてセルフで会計をする設備がありますし、お客様とは直接接触しないバックヤードの仕事を含めると、もっと多くの作業が機械化・IT化しています。

目次

店舗オペレーションと店舗設備の機械化・IT化で、経営者が得られるメリットとは

お客様商売において、今まで人力で行なっていた作業を機械に切り替えるのには、経営者による「もくろみ」があります。

店舗オペレーションの効率化・簡略化・簡素化
店舗オペレーションの精度アップ
データ管理の効率化・合理化
従業員の保安目的

たとえば飲食店の商品注文を、お客様セルフでのタッチパネル方式に切り替えるとどうなるか。

お客様が自分で注文するので、お店側のミスによる注文間違いと、クレームの申し出が減ります。

残念ながら、どちらもゼロにはなりません、不思議ですよね(笑)

今までは、従業員の接客スキルや商品知識などを含めた、仕事の習熟度でバラ付きがあったのですが、そういうのがなくなります。

ほとんどミスをしない、またはミスを自分でリカバー出来るベテランスタッフと、先週入ったばかりの新人スタッフとの技量差がなくなるわけです、機械ですから当然ですね。

お客様も人を介さず自分の指で注文してるから、意図せぬ注文品が届いても原因が自分自身であることが多く、声高に文句は言いにくい。

人力で注文を聞くと、お客様とスタッフとの間での注文の伝え間違いというリスクだけでなく、聞いた注文を厨房に伝える時にも同様の伝達ミスを犯すリスクがありますが、タッチパネルだとダイレクトに厨房に届くのでそれも無い。

そして何より、機械化の強力な後押しとなっている理由が「人件費を削減できる」というメリットです。

システム導入の初期投資はかかりますが、月々の人件費が減るのはぶっちゃけメチャメチャ魅力的(笑)

人を減らせるということは、時給や月給という金銭的なものだけではなく、求人の手間、面接の手間、採用の手間、教育の手間など、人材育成に関する様々な手間や気苦労も減らせることにつながります。

要するに、店舗オペレーションの機械化によるお店側のメリットを正直に言えば

「ミスが減って、お金が浮いて、楽できる」

ということなんですね。

オペレーションの機械化・IT化と引き換えに進行する、お店の平均化と没個性化

このように、作業の効率や精度の向上を目的とするにせよコスト削減を目的とするにせよ、店舗オペレーションの機械化には大きなメリットが存在します。

しかし、効率アップやコストダウンなどのメリットだけを見て導入してしまうと、機械化と引き換えに失うものの大きさに気付けないというリスクが伴います。

たとえばお客様の注文受けを、タッチパネルで機械化するとします。

注文の聞き間違いは減ります、注文の聞き方が悪いというクレームも減るでしょう。

しかし同時に、これは店舗従業員がお客様と接触する貴重なチャンスを、売り手自らの手で減らすことを意味します。

接客サービスの良し悪しでお店の印象が大きく変わるというのは、誰もが経験済みですよね。

店舗スタッフの立ち居振る舞い次第で、お店のファンが増えも減りもします。

ファンを増やすか減らすかは、それこそお店のオペレーション次第ですが、それ以前に重要な事実は、これらは「お客様と接触しないと、何も始まらないし起こらない」ということです。

お店やスタッフのファンを増やす可能性を秘めた、貴重なお客様との接触チャンスを、店舗オペレーションの機械化により、みすみす逃しているという事実がそこにあるわけです。

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機械化により、店舗オペレーションのミスは確かに減りますが、引き換えにお客様の心をつかむチャンスも減るということです。

しかも、こうした機械化はどんどん広まります、同様の機械設備は徐々に普及し、最終的には業界のデフォルトと言ってもいいくらいにまでなります。

地域の同業者の中でイチ早く機械化をしたつもりが、三年経ったら横並びなんて状況も当たり前のようにあります。

同業他社との違いという「個性」こそがウリとなる商売の世界において、自らの個性を殺し、お店の「イロ」を消していくという流れが機械化にはあるわけです。

商品を購入するという「買い物体験」だけで、なぜお客様はリピートしたくなるのか

人力でこなしていた作業が機械に替わると聞くと、きっと機械化できる程度の、簡単で単純な仕事なんだろうなと誤解する人もいらっしゃるでしょう。

確かに「注文をとる」という作業に関して言えばまったくその通りで、お客様にメニューを表示して選んでもらい、注文ボタンをおしてもらうだけ、とてもシンプルです。

しかし、それはあくまでも注文作業という「実務」に関してだけで、優秀なスタッフは実務以上の仕事をそこで行っています。

お客様一人ひとりへのアイコンタクト
お客様の性別・年齢などの客層による対応の変化
声のトーンや注文の復唱でお客様に与える安心感や信頼感
メニューに関する解説や、質問への回答
効果的なオススメ商品の販促トーク
ちょっとした雑談とお客様いじり、お客様からの「フリ」に対する効果的な「返し」

これらの仕事を、お客様からの注文を書きとめながら行なっています。

そして、純粋な注文作業以外であるこれらの仕事こそが、お店の印象を大きく左右する重要な役割を担っているんですね。

機械化される仕事は簡単で単純だという認識は、実は大きな間違いですし、そもそもの発想が逆です。

機械化された接客業務に関する作業は、機械には真似できない部分が切り捨てられて、最小限の実務部分しか残されていないというだけです。

お店の印象をアップさせ、お客様のリピーター化につなげるチャンスになる部分、接客業の「腕の見せ所」になる部分が、機械化によりバッサリいかれてしもてるわけです(笑)

人間の代わりが機械に出来てるなんて実はとんでもない、必要最小限の作業しか出来ないにも関わらず、効率化や合理化という餌につられて、経営者がその事実を黙殺しているか、コストダウンという魅力だけしか見えなくなり、その事実に気付けてすらいないというのが現実なんです。

機械に出来ることは、競合他社にも出来る! 店舗設備の機械化で浮いた時間とお金は、人的資産に再投資しよう

作業の効率化やコストダウンを目的に行なう作業の機械化やIT化は、決して大手企業にだけ起こる問題ではなく、中小・個人事業主が経営するお店でも行なわれています。

手書きしていたDMをプリンタ印刷にする
手書きしていた注文票を、POSに連動している携帯型端末にする
DMやニュースレターを、郵送からメルマガにする
ネットショップも並行して営業する
ポイントカード・会員カードのデジタル化
手書きPOPのパソコン作成

どれも時間の短縮につながったり、効率や精度が上がったりするものばかりです。

時短や効率アップのごほうびとして、浮いた時間が必ずありますよね。

浮いたぶん、誰かの労働時間を減らせば人件費の削減になります。

儲かっちゃいますよね、機械化バンザイですよね(笑)

でもその前に、代わりに投資する場所はありませんか?

機械化・IT化によって失った、目には見えないものはありませんか?

長期スパンで見れば、この先もお店の機械化はどんどん進むでしょう。

これは、単純にお客様との接点が減っていくことを意味します。

しかも、お店の機械に出来ることは、同業他社のお店の機械にも出来ることですよね。

お店の機械化が進めば、お客様との接点が減る上に同業他社との差別化が難しくなる、競合店ではなく「あえて」このお店で購入して頂く理由が、お客様に伝わり難くなるということです。

機械化などの設備投資を行なう際は、それによって失うものをきちんと認識し、しっかり対策しましょう。

特に、お客様との接点やコミュニティの構築に影響が出る設備においては、その代替となる策となる「次の一手」を忘れずに用意することをオススメします。

あなたのお店が、味気ない買い物体験しか提供出来ない「巨大な自動販売機」にならない為にも、お客様の心を動かす施策を練りましょう。

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