商品を軸にしたお客様とのコミュニティ作りは、マニアショップに学ぼう

商品を軸にしたお客様とのコミュニティ作りは、マニアショップに学ぼう

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マニアショップと呼ばれる、オーナーの趣味や価値観が露骨に出ていて、独特の品揃えと雰囲気を持つお店がありますよね。興味の無い一般人から見たら「いったい誰が買いに来るの?」って思えるくらいマニアックでニッチなのに、意外にも他県から来店するくらい広い商圏を持っていたりします。実はこうしたお店は、ある意味理想的なコミュニティをお客様との間に構築しています。彼らの商売からお客様との関係性について考えてみましょう。

目次

マニアが特定のお店に通う理由

マニアショップは、大きなくくりで言えば専門店の一種です。大別すると品揃えがディープでそう呼ばれるお店と、店構えや経営スタンス、オーナーの個性が強く反映されてそう呼ばれるお店の2種類がありますが、複数の同業他社と比べて「著しく平均的ではない、突出したこだわりや偏りがある」という共通点があります。多くの方々に支持されたいが為に、クセを無くし間口を広げようとする一般の専門店ではなく、あえてマニアショップに足を運ぶお客様の来店動機は、欲しい商品が手に入るという理由だけはなく、他にも以下の理由が挙げられます

・オーナーや従業員がお客様以上に商品のファンで、知識や造詣が深いだけでなくお店の運営を楽しんでいる雰囲気が伝わる
・売り手側のこだわりやスタンスが明確で共感できる
・売り手と買い手だけでなく、お客様同士でも価値観が共有できる為、同族意識が得られて楽しい
・知識不足の初心者が来ても、正しい方向に導いてくれる

もし取り扱っている商品や店舗の運営スタンスに思い入れも興味も無い経営者が、ただ単に商品の品揃えだけを充実させていったとしたら、このお店は専門店として歓迎こそされますが、お店を軸としたコミュニティ形成にまでは至らないでしょう。商品幅を広げるだけでは、所詮は商品とお客様がつながっているに過ぎず、お客様は物品購入以上の価値をお店に見出す事が出来ないからです。

せっかく商品点数を増やしても、同程度の商品が揃っているお店が複数存在すれば、単にその商品が欲しいだけであればお様客にとってはどのお店で買おうと同じです。家から近い、若干でも安い、こうしたありきたりのまな板に乗せられ半自動的に選別されるだけの対象となります。それ以外の理由で、あえて「この店で買おう!」と選ばれる為には付加価値が必要で、マニアショップの場合は以下の三点がそれに該当します。

1. 商品の広さではなく深さを訴える専門性のアピール
2. お店独自の立ち位置やこだわり
3. 売り手や他のお客様など、人を介して得られる居心地がいいと思える空間

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専門店の従業員が秘める接客のポテンシャル

いわゆるアキバ系商品はもちろん、骨董、音楽、飲食物、スポーツ用品、特定の日用品、家電、ほとんど全ての専門店は、興味の無い人間から見れば特定のマニアが集うお店という位置付けになります。専門店ゆえ、経営者や従業員も商品への知識や造詣も深く、一種の専門家やマニアである可能性が高いのですが、実はこれが販売者として最高の立ち位置になります。

専門店の運営に参画する人は、その商品を求める人間が何を考え、何に悩み、どう扱われれば気持ちいいかを肌感覚で知っています。自分自身が現在、または過去にそうだったからです。自分がして欲しい事を相手にしてあげるという、まるで自己啓発本にでも書いているような円滑に人間関係を営む基本ルールを、特別意識する事もなく自然に振る舞えるポテンシャルが最初から備わっている可能性があるわけです。

初心者のお客様は、お店のオーナーや従業員からいろんな知識や同じ仲間の存在を知り、ディープなファンは、その店じゃないと得られないようなコアな情報交換や空気に浸る。彼らはその趣味をやめるまでおの店に通い続けるでしょうし、同じ趣味の友達を見つけたらお店に連れて来るでしょう。いつ行っても期待を裏切らない雰囲気が漂い、同じ嗜好の人達が迎えてくれるお店は、ファンにとっては安住の地です。その店に通い、その店の人達がすすめる商品を購入する事に価値を見出しています。まさに理想のコミュニティが、そこには存在するんです。

商品のマニアから、お店のマニアへ

どういう種類の商品やサービスを提供しているにせよ、最終的に私達商売人が望むシナリオは「この店で、あなたから商品を買いたい」と思うお客様を増やす事です。そうなる為に必須なのは、決してマニアックな商品を取り扱う事ではありません。どのような商品を軸にしても、そこから逆算して売り手としての立ち位置やお店の個性を発信し、それを気に入ってもらう事で、商売を通じて「お店マニア」を着実に増やしていく事なんですね。

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